今回は武蔵野線にはなぜ快速列車・特急列車がないのか?ということについて解説していきたいと思います。一体なぜ存在しないのかという理由についても解説していきます。

そもそも武蔵野線とは?

そもそも武蔵野線とはどんな路線でしょうか?

武蔵野線とは、東京都府中市にある「府中本町」から千葉県船橋市西船橋駅を結ぶ路線です。

都心を迂回する形で運行されていることから「東京メガループ」を構成しています。

しかしながら、これだけの長大路線でありながら快速列車や特急列車が運転されていません。

※むさしの号・しもうさ号は貨物線経由で大宮に向かう列車ですが快速列車ではありません。

※定期で運転されている快速列車・特急列車はありませんが、臨時列車としてホリデー快速鎌倉などは運転されています。

武蔵野線は乗り換え路線が多くある重要な路線

武蔵野線
武蔵野線

武蔵野線は都心を迂回してぐるーっと一周することから、乗換駅が多い重要な路線です。

乗換駅について見てみましょう。

  • 西国分寺・・・中央線
  • 新秋津・・・西武池袋線
  • 北朝霞・・・東武東上線
  • 武蔵浦和・・・埼京線
  • 南浦和・・・京浜東北線
  • 東川口・・・埼玉高速鉄道
  • 南越谷・・・東武アーバンパークライン(東武伊勢崎線)
  • 南流山・・・つくばエクスプレス
  • 新松戸・・・常磐線
  • 新八柱・・・新京成電鉄
  • 東松戸・・・北総鉄道
  • 西船橋・・・総武線、東葉高速鉄道

このように重要な乗り換え駅が多く、路線の長さも実に71.8kmもあり、快速列車や特急列車も欲しいところです。

しかし、なぜ快速列車や特急列車が運転されていないのでしょうか?

武蔵野線はそもそも貨物線 追い越しができないから

武蔵野線はそもそも貨物線であることをご存じでしょうか?

武蔵野線は越谷と新座に貨物ターミナルが存在しており、そこから常磐線・東北本線・東海道線への貨物列車が運転されています。※電車は府中本町止まりですが、貨物列車は鶴見駅へと向かうことができます。

つまり、貨物列車の方がメインに運転されており、武蔵野線はその合間を縫って運転されているということになります。

また、貨物列車は途中駅に停車しないため、退避設備などはほとんど設けられていません。つまり、快速列車や特急列車を運転してしまうと先行列車にすぐに追いついてしまうため時間短縮効果がありません。

そのため、快速列車や特急列車が運転されないということになります。

武蔵野線普通列車が意外と速い 他路線なら快速を導入

高崎線特別快速
高崎線特別快速

普段使っている方は感じないかもしれませんが、武蔵野線快速列車を運転しなかったとしても「そこそこ速い」ということをご存じでしょうか?

武蔵野線の路線長はそこそこ長くなんと71.8kmもあります。これを他の路線で例えると宇都宮線の東京~古河間、高崎線の東京~籠原間、東海道線の東京~国府津間に相当します。(距離はおおよそです。)

宇都宮線などでは快速列車が設定されている距離ですので、快速列車を導入してもおかしくはないです。

それでも導入されない理由としては「加速が早い車両を使っている」「駅間が長い」ということが挙げられます。

加速度が高い車両を使っている

まずは「加速が早い車両を使っている」ということですが、武蔵野線の主力車両E231系は、元々は駅間の短い中央総武線各駅停車に使用されていた車両です。

そのため加速が早く、性能が高い車両と言えます。以前使用されていた205系電車も近郊型車両に比べて加速が早いのが特徴でした。宇都宮線などで使用されている加速度が遅いE231系電車ではこの所要時間で走破することは難しいでしょう。

つまり、それだけ駅間を他の路線と比較すると早く走れるというわけです。

あとで説明しますが、一部駅間が短い区間が存在し、加速が早い車両を使用することで時間を短縮しているということも要因の一つです。

なので、この距離を走ったとしても所要時間は1時間18分で、これは東海道線・宇都宮線・高崎線の所要時間とほぼ同じか少し遅いくらいの所要時間です。

これでは快速列車を運転する意味があまりないということにも納得できるでしょう。

もう一つの要因としては駅間が長いことです。

武蔵野線は駅間が長い?短い? およそ何kmある?

武蔵野線は駅間が長いということもあるのですが、全体的に見ると駅間は短いです。

快速列車・特急列車が運転しない理由ではないのですが、一応紹介しています。

それでは駅間について見ていきましょう。

先ほど性能が高い車両が使用されている理由は、駅間が短い区間で時間短縮をするためと説明しました。

特に越谷レイクタウンから三郷までの区間は連続で2km未満の駅間が存在します。また全体的にも2~3kmの駅間も多いです。

その一方で駅間が長い区間も存在します。最も駅間が長いのは新秋津~新小平間の5.6kmの区間です。全体的に南越谷から西側の区間で駅間が長い駅が多く、東側の区間で駅間が短い区間が多い印象を受けます。

いかがだったでしょうか?武蔵野線に快速列車や特急列車が運転されない理由がお分かりいただけたかと思います。

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