JR東日本は2023年9月1日から、不正乗車・キセル乗車対策なのか、他駅発売が500円以下の乗車券について指定席券売機(MV)で発売できないように設定したことが分かりました。

このような撲滅キャンペーンを鉄道会社は全国的に広がっています。

不正乗車・キセル対策か 指定席券売機で他駅発500円以下の乗車券購入不可に

JR東日本指定席券売機(MV)

不正乗車・キセル乗車についての具体的な手法については明言は避けておきたいと思います。

しかしながら、これまで指定席券売機を使って不正乗車・キセル乗車することは理論上可能で、過去にはこれを乗車券・指定席券売機の特性を悪用した鉄道ファンがJR職員が自動改札機を封鎖する対策などによって摘発されることもありました。

全国的に不正乗車撲滅の流れは広まる 他駅発きっぷが発売禁止になっているところも

また、JR九州でも不正乗車が相次いでおり、小倉駅では最短距離のきっぷを券売機で買えないようにしたところ、不正乗車をしていた人の人数がおおよそ炙り出されるという事態も起きています。

一方で不正乗車対策ではない場合もあり、JR西日本では特定区間の乗車券を京都~大阪、大阪~三ノ宮で分割すると安くなりますが、JR西日本としては発売したくないという理由で他駅発のきっぷが買えなくなっています。

これが現状かなりややこしい方法をしないと券売機で買えない他、みどりの窓口では分割乗車券発券を拒否されます。

実際に他駅発が指定席券売機で買えなくなったのか検証してみた

その流れも受けてか、JR東日本も対策に乗り出したと思われ、自駅発を除いた他駅発の500円以下の短距離乗車券が購入不可になっていました。

検証したところ、画面は支払い手前まで行くことができますが、「おそれいりますが、係員のいる窓口におたずねください」との画面が出て購入はできませんでした。

もちろん、正当な理由があれば、窓口などで購入することができるような対応はされるかもしれませんし、他駅発を発券する方法はありますが個人の特定が容易になる方法のため、不正乗車の抑制にはつながるかもしれません。

ただし、分割乗車券などの場合は面倒なことになるかも?事前申告は認められるか?

不正乗車・キセル乗車の撲滅が目的と思われますが、正当な理由で購入する人も中にはいます。

それは分割乗車券を発券する場合です。

もちろん、分割すると安くなるなんてことを知っているのは鉄道ファンだけというのはありますが、少なからず影響は出るでしょう。

区間によっては400円以上割引になる区間も

例えば東京から静岡に行く場合、通常料金であれば3410円となっていますが、分割乗車券を使うと3000円となり、410円お得となります。(もちろん自動改札機は利用不可ですが、東海道新幹線も乗車可能です。)

しかしながら、この分割乗車券を発券するには途中駅の230円の分割乗車券が2枚必要となります。

これをみどりの窓口しかない駅でしか買えなくなるのは大きなデメリットです。先ほどの場合は410円になります。

分割乗車券の事前申告は認められるのか?

問題は事前申告したらそれが認められるというかという点です。

恐らく認められないとは思いますが、鉄道会社の都合で分割乗車券が買えなくなっているので言ってみる価値はあると思います。

特にみどりの窓口がない駅では取り扱いがどうなるのかは、みどりの窓口の駅までの運賃が指定席券売機で買えないことを考慮してくれるかも含め、聞いてみた方がいいかもしれません。

休日お出かけパスでは精算に長蛇の列となることが予測

休日お出かけパスを利用する方は注意が必要です。

休日お出かけパスで今回の指定席券売機の設定で気を付けるべきことは宇都宮や高崎などエリア外に行く場合です。

この場合、神保原~高崎の230円のきっぷを事前に買っていた人も多いと思います。

しかし、今回の設定変更でそれができなくなったため、精算の列ができてしまうことが予想されます。

「Suica版の休日お出かけパスを使えばいいじゃないか」という声も上がりそうですが、Suica版の休日お出かけパス(のんびりお出かけパス)は数十円安いですが、新幹線の利用ができません。

こういった正当な利用をしている人にも不利益は拡大しそうです。

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