今回は京成押上線の歴史・混雑・住みやすさ・停車駅・都営浅草線との直通運転について解説していきたいと思います。

京成押上線とは?区間と運行間隔、乗り換え路線について解説

京成押上線車窓

京成押上線とは押上~青砥までを結ぶ、全長5.7kmの短い路線です。

短い路線なので本数が少ないと思われるかもしれませんが、都営浅草線・京急線との3者乗り入れをしている関係で、「普通」「快速」「快速特急」「アクセス特急」等様々なバリエーションの種別が走っているほか、「京成本線(上野~青砥までを比較)」と運転本数を比較すると「京成押上線」の方が運転本数が多い時間帯も存在します。

運転間隔は「快速」「快速特急」「アクセス特急」などの速達性のある列車が約10分間隔、「普通」も約10分間隔で運転されています。朝夕ラッシュ時にはそれぞれ約5分間隔で運転が行われています。

2021年12月現在京成押上線で運転されている車両は全て8両編成での運転となっており、2018年までは6両編成が運転されていたため、その名残で停車位置目標と乗車案内に6両編成の文字が記載されている場所もあります。

現在では路線が短いことから「支線」のような扱いを受けている路線ですが、歴史を見てみましょう。

押上で東京メトロ半蔵門線・都営浅草線(直通のため乗り換えは不要)、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)に乗り換えができ、青砥で京成本線(上野・日暮里方面)に乗り換えができます。京成曳舟でも東武スカイツリーラインに乗り換えができます。

京成押上線の停車駅・読み方

京成押上線イメージ
京成押上線

京成押上線の停車駅は押上(おしあげ)・京成曳舟(けいせいひきふね)・八広(やひろ)・四ツ木(よつぎ)・京成立石(けいせいたていし)・青砥(あおと)です。

京成押上線の歴史

京成金町線

1912年(大正元年)11月3日に開業した路線で、京成電鉄の前身である「京成電気軌道株式会社」が、京成押上線と京成本線・京成金町線の一部である、押上~市川(現:江戸川)、曲金(現:京成高砂)~柴又間が開通しました。

京成電気”軌道”株式会社という名前の通り、最初は「路面電車」としての側面を持つ路線でした。(その後、線路改良などで軌道が廃止される)

京成押上線は京成電鉄の中でも「マイナーな路線」の一つですが、実は京成電鉄が最初に開業した路線の一つでもあるのです。

京成押上線は建設当初、押上~浅草間を延伸して浅草まで乗り入れる計画で「本線としての役割」を果たしていましたが、その後計画を変更し京成電鉄としては押上で建設を終了し、1933年に京成本線が日暮里・上野公園(現:京成上野)まで開業することにより、都心へ乗り入れを行いました。

その後、1960年に都営浅草線(都営1号線)と京急との直通運転により、当初の計画からは変わったものの、浅草駅・都心乗り入れを果たしました。これに合わせて乗り入れの前年である1959年までにこれまでの「馬車軌道」だった線路幅1372mmから1435mmの標準軌への改軌工事が実施されます。今では私鉄と地下鉄との直通運転は当たり前ですが、京成押上線と都営浅草線の地下鉄乗り入れは日本初の事例となりました。(当時は押上~東中山までの乗り入れとなっていました。)

2010年7月17日に成田空港線(成田スカイアクセス線)が開業。これにより京成押上線を経由して羽田空港~成田空港までの空港アクセスを担うことになりました。中でもアクセス特急・エアポート快特は都営浅草線内でも通過駅がある料金不要の最速達種別が誕生することになり、羽田空港・成田空港と都心へのアクセスが改善しました。

高架化工事・荒川橋梁付け替え工事も進行中

現在京成押上線の押上~京成曳舟~八広については高架化工事が完了していますが、四ツ木~京成立石~青砥までの高架化は現在工事が行われています。また、四ツ木~八広については荒川橋梁の付け替え工事が行われています。

次に乗客数などのデータを見ていきましょう。

京成押上線の旅客数・混雑率

京成押上線の旅客数について見ていきます。データは京成電鉄が公開している2020年度の1日平均乗降人員を記載しています。

最も利用客が多い駅は「押上駅」で16万956人となっています。また、押上駅で降りずに通過している人は14万848人いるということです。

2番目に多いのは「青砥駅」で3万8311人です。ただし、これは京成本線からの利用客も含んでいるため、京成押上線だけの利用客を見た場合はもう少し少ないかもしれません。

3番目に多いのは「京成立石駅」で2万9974人です。押上から最も遠い普通しか止まらない駅が第3位に食い込んでいるのは意外ですよね。

4番目に多いのは「京成曳舟駅」で1万5082人です。京成立石駅と約1万5000人も差が開いていることに注目です。京成立石駅はそれだけ利用客数が多いということですね。

5番目に多いのは「四ツ木駅」で1万3307人です。キャプテン翼の絵が駅構内にの至る場所に見れる駅です。

最も京成押上線内で利用客数が少ないのは「八広駅」で1万292人です。「八広には何もない」というイメージも持っている沿線民の方が、もしかするといるかもしれません。

京成押上線で最も混雑する区間は京成曳舟→押上間で、新型コロナウイルスの影響がなかった2019年度データでは148%、新型コロナウイルス後の2020年度は91%となっています。

京成押上線の住みやすさ

京成押上線の住みやすさについて解説していきます。

押上駅は何と言ってもスカイツリー前ということが住みやすさの理由に挙げられるでしょう。特にスカイツリーの直下にある商業施設「ソラマチ」は品揃えが豊富で基本「ソラマチ」に行けば買い物がほぼ終わるというのが良いところでしょう。また、都心へ向かう際には京成線の初乗り運賃がかからないため、他の駅と比べると運賃が割安となるのも特徴です。都営浅草線・東京メトロ半蔵門線・京成押上線の3路線使えるところも魅力の一つです。

青砥駅は京成上野・押上方面の2方面利用可能で、特急・快速特急・アクセス特急が停車する駅となっています。また、成田空港へ行く際に「スカイライナー」も一部列車が停車するため利便性が高い駅です。

京成押上線の路線全体を見ると、都心への利便性は比較的高い方であると思われます。特に都心へ出勤する人(宝町・日本橋方面)が朝ラッシュ時には多く見られます。また、一般人に対しての認識は「マイナーな路線」で、京成押上線がどこを走っているか知らない人も多いでしょう。そのため、京成本線と比較すると家賃相場が低い傾向にあり「穴場」となっています。安い物件では月4万で駅前に住める物件も調べたところ存在しました。

確かに、特急の停車する押上・青砥については割安とは言えないですが、普通しか止まらない各駅は割安感があると言えます。

京成押上線にはどの駅にもスーパーがありますので、特に買い物などで困ることも少ないでしょう。

まとめ

京成押上線の概要や歴史・旅客数・住みやすさ等を見てきましたがいかがだったでしょうか?

・京成押上線は1912年開業で京成電鉄で最初に開業した路線

・開業当時は路面電車だった

・1960年には都営浅草線との直通運転を開始した

といったことがお分かりいただけたと思います。

京成押上線については知らなかった、いつも通過していたという人は是非休日等に沿線に足を運んでみると新しい発見があるかもしれません。

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