今回は群馬県吾妻線の謎の終着駅「大前駅」に行ってきました。秘境駅として知られるこの駅には何があるのか観察してきました。

大前駅とは?秘境駅になったのはなぜ?

大前駅ホーム
大前駅全景

大前駅とはそもそもどんな駅なのでしょうか?

大前駅の歴史は意外と浅く開設は1971年3月7日で、吾妻線の長野原~大前間開業の際に設置された駅です。

一体なぜ、1971年に比較的新しく設置された駅にも関わらず、「秘境駅」になってしまったのでしょうか?

それは当初の路線計画にありました。

当初は長野県まで延伸していれば信越本線と接続予定だった

大前駅駅名標
大前駅駅名標

当初吾妻線自体、長野県の豊野まで本来であれば延伸する予定でした。そのため、吾妻線は長野方面に路線が伸びています。

しかしながら、当初の計画は国鉄時代の財政難や、浅間山の地熱の影響でトンネル工事の作業が難しい等の理由から計画が中止されました。

それにも関わらず、大前駅が開業してしまいました。

ではなぜ、大前駅という秘境駅が廃止にならないのでしょうか?

大前駅が廃止にならない理由

大前駅はなぜ廃止にならないのでしょうか?それは大前駅から先に延びる線路にその秘密が隠されています。

ホームは4両分しかなく、延伸する見込みもないのに余分に線路が伸びているのはなぜでしょうか?

もう少し終点の先を見ていきましょう。

大前駅終点の先
大前駅終点の先

大前駅の終点の先に目をやるとなんと7両分停まれるスペースが確保されていることが分かります。特急草津に使用される651系も入線できるということになります。

客車4両の停目も気になりますね。

実は大前駅は繁忙期には留置線として使用されることがあります。それは、一つ手前の万座・鹿沢口駅は1面1線しかなく、折り返し設備が存在していないからです。

そのため、繁忙期には回送列車をここまで入線させることもあり、そのため、7両分の線路が用意されているわけです。

このような役割を持つことから、秘境駅が維持されている理由の一つとなっているのかもしれません。

また、1日上り列車は5本しか運転されていませんが、朝・昼・夕・夜に運転されていることから、一応地域住民の足としても利用できる役割もあるのではないでしょうか?

架線柱も新しく更新 今後も廃止になる見込みはなし?!

大前駅架線柱
大前駅架線柱

大前駅の架線柱についてですが、何本か更新されていました。つまりJR東日本としても当分の間は使い続けるという意思表示ではないでしょうか?

そうでなければ、架線柱を新しく建てたりしないのではないでしょうか?

大前駅が廃止されるのはもう少し先のことになりそうです。

大前駅の時刻表 上り5本・下り4本は秘境駅感がある

大前駅時刻表
大前駅時刻表

こちらは大前駅の時刻表です。行先が無印のところは高崎行き・それ以外は新前橋行きです。秘境駅でも一応、高崎方面へ行けることを感じさせる時刻表です。

それにしても上り5本、下り4本は結構少なく感じてしまいますね。でも、秘境駅よりは少し多い方でしょうか?

まとめ

実際に大前駅に行った時の感想・まとめです。

  • 大前駅はかつて長野県豊野まで延伸予定だった
  • 地熱等の影響で延伸計画中止
  • 大前駅が廃止にならないのは、留置線の役割があるから?
  • 現在上り5本、下り4本が運転されている
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