普通列車グリーン車の定期券があることをご存じでしょうか?多くの方がほとんど知らないのではないかと思います。

そこで今回は普通列車グリーン車の定期券について解説していきたいと思います。

本当にお得なのか、高いのか、主な料金はいくらなのかについても解説していきます。

普通列車グリーン車の定期券とは?

グリーン車車内イメージ

まず、普通列車グリーン車を知らない方に解説すると、普通列車グリーン車は東海道線・宇都宮線・高崎線・字常磐線・横須賀線・湘南新宿ライン・上野東京ラインなどで運転されている普通列車・快速列車・特別快速列車に連結されているグリーン車のことを言います。

通常は改札内で同一方向の乗り継ぎを除き、乗車する1回ごとに「普通列車グリーン券」を購入する必要があります。

ですが、毎日グリーン車を使っていて、毎回買うのはめんどくさいという方も多いのではないでしょうか?

実はJR東日本はあまり大きく宣伝していませんが、「普通列車グリーン車定期券」というのをひそかに発売しているので、今回はそれについて紹介していきます。

普通列車グリーン車定期券の料金は?

普通列車グリーン車定期券の料金について気になっている方も多いと思いますが、残念ながら普通列車グリーン車定期券の料金は公表されていません。

そのため、料金を調べるためには、みどりの窓口のある駅で、乗車区間でグリーン車定期券の値段を調べる必要があるでしょう。

【メリット】20kmまでの区間を利用する人はグリーン車定期券を買った方がお得?

普通列車グリーン車の料金体系は平日だと50㎞までだと780円、51㎞以上で1000円となっています。(事前料金平日料金)

このような料金体系のため短距離で移動する方にとっては、個別で買った方が損をしているかもしれません。

出社日を月に22日間とした場合、20㎞以内となる東京から川崎を乗車する場合はどうでしょうか?

JR東日本に問い合わせたところ、1カ月の定期券料金は1カ月だと32670円で、3カ月定期は93120円となっています。(6カ月定期はありません)

このうち、乗車券分に相当する定期券代は1カ月9620円、3カ月で27440円となっていることから、実質的にグリーン車分となっているのは1カ月分で23050円、3カ月で65680円となります。

これを22日出勤を前提に計算すると、1日当たり、約1048円で利用することができます。

高いと思われる方も多いと思いますが、あくまで1日当たりの料金です。

つまり、これは往復で1048円となることを示しており、片道524円で利用することができ、通常料金の780円よりも安く乗車することができるわけです。もちろん、休日にも乗る場合はさらにお得になるでしょう。

【デメリット】混雑してて座れなかった場合は払い戻しなし?出社日数が少ないと損する

先ほどはメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。

普通列車グリーン車はそもそも「全車自由席」です。つまり、混雑時には座れない可能性もあるということです。

また定期券を持っているからと言って、すでに座っている人に移動してもらうなどの特権もありません。

通常のグリーン券であれば座れなかった場合に別の普通車に移動する場合は駅での払い戻しがありますが、普通列車グリーン車定期券ではそのような取り扱いは発表されていません。

そのため、乗車する時間帯や区間によっては損をすることがあるでしょう。

また、区間や出社日数によっては損することもあり得ます。買う前によく出社日数などを見た方がいいでしょう。

グリーン車定期券の主な区間の料金は?

グリーン車定期券の主な区間の料金について解説していきたいと思います。

まず、前提としてグリーン車定期券の料金は1回乗車のみの料金体系とは異なり、距離が長くなるほど高くなります。そのため、区間によっては個別に買った方がお得になったり、JREポイントを交換した方が安くなることもあるので注意が必要でしょう。

東京から横浜

東京から横浜のグリーン車定期券の料金は1カ月で48160円、3カ月で137270円です。

東京から水戸

東京から水戸のグリーン車定期券の料金は1カ月で104050円、3カ月で296530円です。

東京から小田原

東京から小田原のグリーン車定期券の料金は1カ月で84050円、3カ月で239550円です。

東京から宇都宮

東京から宇都宮のグリーン車定期券の料金は1カ月で97450円で、3カ月で277730円です。

東京から高崎

東京から高崎のグリーン車定期券の料金は1カ月で97110円で、3カ月で276800円です。

東京から千葉

東京から千葉のグリーン車定期券の料金は1カ月で53500円、3カ月で152490円です。

最長のグリーン車乗車距離の高萩~沼津は?

もはや、ネタでしかありませんが、グリーン車定期券の理論上の最長距離となる、高萩から伊東までのグリーン車定期券はいくらだったのでしょうか?

値段は何と1カ月で181890円で、3カ月で518370円となりました。

普通列車グリーン車定期券は会社から支給される?

普通列車グリーン車定期券は会社の通勤定期代として支給されるのでしょうか?

支給することはできるが、普通の定期券とは異なり、給与扱いで支給になるので現実的には支給されないというのが答えになります。

一体なぜなのでしょうか?

実は国税庁としての見解としては「特別車両料金を含まない場合」は月15万円未満であれば、非課税とすることにしているからです。

今回紹介した「グリーン車定期券」は特別車両料金を含んでおり、月15万円未満であったとしても給与課税となる可能性が高いです。

つまり、新幹線定期や一部JRで発売している特急定期券は「あくまで普通車」で特別車両料金を含んでいないので、月15万円未満であれば、非課税で支給してもOKということになります。

会社からグリーン車定期券の支給は現実的ではない

そうすると、会社としてはわざわざグリーン車定期券よりも新幹線定期の方を支給した方が合理的となるので、おそらく通常であれば、グリーン車定期券は認められず、通常の定期券との差額は自己負担となるでしょう。

自己負担になれば東京から宇都宮までの自己負担金額は約5万円弱ですから、新幹線定期を会社が認めてくれるなら、そちらにした方がいいですし、自己負担になるのであれば、都内に住むことも考えた方がいいでしょう。

まとめ

ここまで普通列車グリーン車定期券についてまとめましたが、いかがだったでしょうか?

まとめると

  • 普通列車グリーン車定期券というものがある
  • 普通列車グリーン車定期券はグリーン車が乗り放題になる
  • 1カ月と3か月分のみの発売で6カ月分はない
  • 20㎞までなら定期券を買った方がお得かも
  • グリーン車定期券は混雑時の払い戻し対象ではない
  • 区間・出社日数では損をすることも
  • 普通列車グリーン車定期券を会社から支給することは現実的ではない
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