今回は都営新宿線急行に乗車してきました。停車駅・運行時間帯(朝)、一体なぜ走っているのか、都営新宿線急行いらないのかについて解説していきます。
都営新宿線とは?
そもそも都営新宿線とはどんな路線でしょうか?都営新宿線(都営地下鉄)は東京都の新宿駅~千葉県の本八幡駅までを結ぶ路線で、1989年3月19日に全通した路線です。
京王線(京王新線)に直通するため、軌間は1372mmとなっており、JR等で使用されている1067mmの軌間とは異なっています。地下鉄で1372mmの軌間を使用している地下鉄は全国でもここだけとなっています。
京王新線は笹塚まで京王線のルートと違い、幡ヶ谷・初台を通るルートとなっていることから、他の京王線の駅と区別するために「新線新宿」の名称が使用されています。
途中の船堀駅付近などが地上区間となっていますが、主に近く区間を走行する路線です。最高速度は75km/hとなっています。
実は千葉ニュータウンまで乗り入れる計画がありましたが、諸般の事情で計画が頓挫しています。
都営新宿線は8両編成・10両編成で運転されています。
都営新宿線の路線図は?
都営新宿線の車内に路線図が載せられていましたので、撮影しました。
都営新宿線の種別は?
都営新宿線の種別は各駅停車・急行があります。かつては快速・通勤快速が運転されていましたが、現在は廃止となっています。
京王新線内に入ると区間急行・快速・急行に名称を変更して運転される列車があります。(ただし、都営新宿線内各駅停車となる列車もあります。)
都営新宿線急行とは?
都営新宿線急行は都営新宿線線内を急行運転する列車のことを指します。都営新宿線急行は1997年12月24日から全線で急行運転を始めたのがきっかけで、徐々にその運行本数を増やしていきました。
2023年のダイヤ改正までは減便はされているものの、平日・土休日にも運転が行われ、現在では朝から夕方までの時間で20分間隔・40分間隔で運行されています。
ただし、2023年3月のダイヤ改正で、平日の10時~15時台、土休日の11時~15時台に運転されていた急行列車が各駅停車に格下げされることとなりました。今後さらに利用機会が減る予定です。
一方で一部で増発も行われます。平日のみとなりますが、7時台の大島駅発新宿方面の各駅停車1本を急行列車に変更、9時台の大島駅発、本八幡駅発新宿方面の各駅停車各1本を急行列車に変更、17時台の新宿方面からの各駅停車1本を急行列車に変更となります。
2023年のダイヤ改正で利用しづらくなった印象はありますがは、都営新宿線急行が廃止とはならないようです。
また、乗車には乗車券または定期券のみで、急行列車に急行料金などはかかりません。
行先は多くの列車が京王新線笹塚で終点となりますが、一部列車は京王線・相模原線京王多摩センター、橋本まで直通運転を行います。新宿から先京王新線内は区間急行として運転されます。
都営新宿線急行は地下鉄線内で追い越し 岩本町・瑞江で実施
都営新宿線急行は地下鉄線内で追い越しを行います。追い越しが行われるのは岩本町・瑞江駅の2駅です。本八幡駅を発車し、終点新宿駅までに2本前に発車した各駅停車の追い越しを行うことがあります。
そのため、追い越される各駅停車の案内放送ではこの先で急行に追い越されることが案内されます。
また、急行列車の案内には各駅停車を最初に追い越して最初の停車駅となる神保町で各駅停車に接続するという案内がされています。
都営新宿線急行の運行時間帯は? 朝の運転はどうなってる?
都営新宿線の運行時間帯は本八幡駅発では平日は午前10時~午後16時まで。土休日は朝7時~夕方18時までです。
新宿駅発では平日は10時~16時20分、土休日は朝9時~夕方18時40分まで運行されています。
都営新宿線急行は朝の時間帯の運行は土休日のみとなっていて、平日は朝・夕ラッシュ時は各駅停車での運行となっていることに注意が必要です。
2023年の3月のダイヤ改正からは平日10時~15時台、土休日の11時~15時台の急行列車の運転がなくなります。
分かりやすいパターンダイヤが組まれているのが特徴
都営新宿線急行では利用客に分かりやすい「パターンダイヤ」が組まれているのが特徴です。
パターンダイヤとは、毎時00分発、20分発といったように毎時間決められた時間に発車するダイヤとなっているものを指します。
都営新宿線急行では本八幡駅の場合は10時00分発、20分発、40分発・・・というように発車していくダイヤとなっています。
ただし、このパターンダイヤも2023年3月のダイヤ改正で間引き運転となるため、パターンダイヤ自体が消滅する可能性があります。
都営新宿線急行停車駅一覧
駅名(読み方) | 急行停車駅(停車は〇、通過は-) | 乗り換え路線(乗換駅の名前が異なる場合は記載) |
本八幡(もとやわた) | 〇 | 京成本線(京成八幡)、JR中央総武線各駅停車 |
篠崎(しのざき) | – | |
瑞江(みずえ) | – | |
一之江(いちのえ) | – | |
船堀(ふなぼり) | 〇 | 都営バス新小21系統(新小岩・西葛西駅方面) |
東大島(ひがしおおじま) | – | |
大島(おおじま) | 〇 | |
西大島(にしおおじま) | – | |
住吉(すみよし) | – | 半蔵門線 |
菊川(きくかわ) | – | |
森下(もりした) | 〇 | 都営大江戸線 |
浜町(はまちょう) | – | |
馬喰横山(ばくろよこやま) | 〇 | 総武快速線(馬喰町)、都営浅草線(東日本橋・エアポート快特・エアポート急行停車駅) |
岩本町(いわもとちょう) | – | つくばエクスプレス・JR京浜東北線快速・山手線、東京メトロ日比谷線(秋葉原) |
小川町(おがわまち) | – | 東京メトロ千代田線・丸の内線 |
神保町(じんぼうちょう) | 〇 | 東京メトロ半蔵門線・都営三田線 |
九段下(くだんした) | – | 半蔵門線・東西線 |
市ヶ谷(いちがや) | 〇 | JR中央総武線各駅停車 |
曙橋(あけぼのばし) | – | |
新宿三丁目(しんじゅくさんちょうめ) | – | 東京メトロ副都心線・丸の内線 |
新宿(しんじゅく) | 〇 | 小田急線・JR線・大江戸線 |
都営新宿線急行停車駅は本八幡(もとやわた)・船堀(ふなぼり)・大島(おおじま)・森下(もりした)・馬喰横山(ばくろよこやま)・神保町(じんぼうちょう)・市ヶ谷(いちがや)・新宿(しんじゅく)です。
京王新線直通し、京王新線内の停車駅は新宿(しんじゅく)、初台(はつだい)、幡ヶ谷(はたがや)、笹塚(ささづか)に停車します。
都営新宿線急行はなぜ運転されている? いらない? 否定的な意見も
都営新宿線急行はいらないという意見も少なからず存在するようですが、結論からいうと、都営新宿線急行は必要です。
否定的な意見としては、瑞江・東大島・住吉・小川町を通過し、逆に都営新宿線の車庫がある大島を停車させないのはおかしいという意見が見られました。
しかしながら、都営新宿線急行は平日はデータイムのみの運転となっていることから通勤には影響はないと考えられており、お出かけ需要の意味合いが強いと考えられます。土休日には運行時間帯が拡大されています。
競合路線を見ると本八幡~新宿間はJR中央総武線各駅停車、東京メトロ東西線・京成線(本八幡~馬喰横山まで)並行する路線があると考えれば、乗客確保のために、速達性を重視していると考えることもできます。
所要時間を見てみると各駅停車の場合には、馬喰横山・新宿までなどほぼ同じ時間になることが多いですが、急行運転をすることで、約10分間速く着き、乗り換えも不要なことがアピールポイントとなりそうです。
また、終着の本八幡駅に行くと「新宿まで急行で30分」と案内が書かれているのも印象的で、新宿までの利便性が高いことのアピールには欠かせない列車となっているため、都営新宿線急行が要らないというのは誤りか、通過する途中駅利用客の声かもしれません。
都営新宿線急行は運行本数を減らしてきたとはいえ、都営新宿線急行が廃止というのはまずないでしょう。
都営新宿線急行 まとめ
ここまでの都営新宿線急行についてまとめてみました。
- 都営新宿線内通過駅のある都営新宿線急行が運転。
- 急行は本八幡・船堀・大島・森下・馬喰横山・神保町・市ヶ谷・新宿・初台・幡ヶ谷・笹塚に停車。
- 運行時間帯は平日はデータイムのみ、土休日は朝・夕の運転となり運行時間帯が拡大。
- パターンダイヤが組まれ、20分間隔または40分間隔。
- 急行不要論も存在する。しかし、運行本数が徐々に拡大した歴史がある。