今回は京成金町線の運行区間・歴史・ダイヤ・混雑について解説していきます。京成金町線という都会のローカル線について解説していきます。
京成金町線とは? 運行区間・停車駅
京成金町線の運行区間は京成高砂駅~京成金町駅を南北に結ぶ全長2.5kmの路線です。途中駅は柴又駅があり、全ての列車が京成金町線内で完結する普通列車のみ運転されています。
京成金町線の停車駅は京成高砂(けいせいたかさご)、柴又(しばまた)、京成金町(けいせいかなまち)です。
京成金町線は京成高砂で京成本線・成田スカイアクセス線・北総鉄道に乗り換え、京成金町でJR常磐線各駅停車に乗り換えができます。使用車両は3500形または3600形の4両編成で運転されています。
京成金町線は都内の路線としては珍しく、柴又駅付近を除き、全線が単線となっています。
昔は京成上野までの直通運転も 年末年始のみ臨時列車が運転
現在京成金町線で運転されている列車の全てが京成高砂~京成金町間の往復での運転となっています。しかしながら、かつて2010年7月5日に実施された京成高砂駅高架化工事が行われる以前は直通運転が行われており、京成上野発着の列車が運転されています。
また、年末年始の終夜運転時のみ直通の臨時列車が運転されます。しかも、運転系統が京成押上線経由で、押上~京成金町まで運転され、普段は京成押上線で運転されない4両編成で運転されます。
京成金町線の歴史
京成金町線の歴史は意外にも古く、1899年に柴又駅~金町駅間で開業した帝釈人車鉄道が開業します。人力鉄道とは車両を人が押して動かす鉄道で、珍しい運行方式でした。
1909年に京成電鉄の前身である「京成電気軌道株式会社」が設立され、1912年11月3日に京成電鉄の最初の路線が開業しましたが、この時点で開業していた路線は押上~市川(現:江戸川)間、曲金(現:京成高砂)~柴又間のみ、柴又~京成金町までは帝釈人車鉄道が営業権を持っていました。
その後、帝釈人車鉄道から京成へ営業権が移り、京成の路線(京成金町~柴又間)としては1913年10月21日に開業することになります。
ここから、京成金町線は「京成本線(上野・日暮里方面)」よりも早く開業しており、京成電鉄の創業当初から存在する歴史的には重要な路線だということが分かります。
幻の「松戸乗り入れ」直通・延伸計画があった
京成金町線の途中駅の柴又から江戸川を渡り、松戸駅まで直通・延伸する計画がありました。ただし、柴又から松戸までは新京成電鉄新線としての路線となっていました。
しかしながら、建設反対運動があったことや北総線の計画が浮上したため実現には至りませんでした。
京成金町線のダイヤは?
京成金町線のダイヤは日中は約20分間隔での運転、朝・夕ラッシュ時には10分間隔での運転となり、全列車が京成高砂~京成金町までの往復となります。
京成金町線は別路線?京成高砂駅では改札外乗り換えも
京成金町線は京成線の中で唯一「改札外乗り換え」が採用されている駅で、京成金町線に乗車するためには一度改札を出て、乗り換えをする必要があります。
京成高砂駅高架化以前は同一改札乗り換えでしたが、現在は改札外での乗り換えが必要となっています。
京成高砂駅の改札外乗り換えの制限時間は?
京成高砂駅の改札外乗り換え制限時間は60分以内となっています。京成高砂駅では駅構内のいたるところに「金町線との乗り換え時間は60分以内です」という案内が設置されていました。取材時に少なくとも2カ所は確認できていました。
京成高砂駅で下車して食事でもしない限り、60分を超えることはありませんが、うっかりして60分を超えてしまうと、新たに初乗り運賃が発生してしまうため注意が必要です。
京成金町線の旅客数・混雑 廃止の可能性は?
京成金町線の各駅の旅客数は京成電鉄1日の平均乗降客数2020年度のデータによると
京成高砂駅の1日の平均乗降客数は7万8910人でした。ただし、京成本線・北総線利用の人も含まれているため、京成金町線利用の身も場合はもっと少ないでしょう。
柴又駅の1日の平均乗降客数は6370人でした。これは京成本線新三河島駅・京成千葉駅よりも利用客が多いことから、「支線」であるにも関わらず、京成線の中では利用客が多いことが分かります。
京成金町駅の一日の平均乗降客数は1万9254人となっており、この数字は京成押上線の京成曳舟・八広・四ツ木よりも多く、京成本線日暮里駅に近い乗降客数です。
京成金町線が廃止されるという噂も鉄道ファンの中ではされているようですが、乗降客数を見ると廃止には程遠いことが分かります。
京成金町線の混雑ですが、平日の朝・夕ラッシュ時のみ混雑し、日中は比較的空いているようです。
まとめ
ここまで京成金町線についてまとめると
- 京成金町線は京成金町~京成高砂までの約2.5kmの路線。
- 京成金町線は京成電鉄創業当初からあった路線で、柴又~金町間は帝釈人車鉄道が運行していた。
- 途中の停車駅は柴又のみ。
- 新京成電鉄が松戸~柴又間の新線計画を持っていたが、実現することなく幻の計画となった。
- ダイヤは日中20分間隔、平日10分間隔での運転。
- 京成高砂駅では京成電鉄唯一の「改札外乗り換え」。乗り継ぎ時間は60分。
- 京成金町線は「都会のローカル線」と呼ばれるが、1日の乗降客数が多く、日暮里駅と京成金町駅の利用客数がほぼ同じ