今回は京急線の看板種別である「快特」について解説していきます。

京急線・都営浅草線・京成線の「エアポート快特」についてはこちらの記事をご覧ください。

京急線の快特とは?

京急線の快特\新1000形1057編成「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」
京急線の快特(新1000形「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」)

快特は、京急線における看板種別のひとつです。

都心(品川など)と三浦半島地区(久里浜・三崎口)を結ぶ列車を中心に、羽田空港へ行く列車も運転されています。

また早朝に三浦海岸始発羽田空港行きの1本のみですが、横浜方面から羽田空港へ行く快特も1本だけ存在します。

運行開始は1968年6月で、当時の週末特急を定期列車化する形で運転を開始しました。

当初は「快速特急」という種別名でしたが、1999年7月に略称として以前から定着していた「快特」へと種別名が改められています。

種別の色は「緑」で、京急線の緑色の種別=快特というイメージは、沿線住民を中心に根付いています。

快特の種別色は緑色
快特の種別は緑色

京急線の快特の種類と停車駅は?

京急線の快特は大まかに分けて以下の4種類があります。

  • 都心・泉岳寺方面から三浦半島方面(三崎口方面)への列車(本線・久里浜線系統)
  • 都心・泉岳寺方面から羽田空港への直通系統(空港線系統)
  • 早朝1本のみの三浦海岸始発羽田空港行き
  • 浦賀・三崎口方面から金沢文庫まで特急として運転して、金沢文庫から品川まで快特として運転する列車(平日朝ラッシュ時間帯のみの運転、今回は説明を省きます)

本線・久里浜線系統の列車(泉岳寺~三崎口間)は以下となります。(快特停車駅のみ抜粋)

本線・久里浜線系統の快特、2100形2133編成「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」
本線・久里浜線系統の快特(2100形「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」)
駅名よみかた接続路線・備考等
泉岳寺せんがくじ都営地下鉄浅草線(一部直通運転)
JR山手線(高輪ゲートウェイ駅)
JR京浜東北線(高輪ゲートウェイ駅)
品川しながわ東海道新幹線
JR山手線
JR京浜東北線
JR東海道線
JR上野東京ライン(宇都宮線・高崎線・常磐線)
JR横須賀線
京急蒲田けいきゅうかまた空港線(羽田空港方面)
京急川崎けいきゅうかわさき大師線(小島新田方面)
JR南武線(川崎駅)
JR東海道線(川崎駅)
JR京浜東北線(川崎駅)
横浜よこはまJR東海道線
JR上野東京ライン
JR湘南新宿ライン
JR横須賀線
JR京浜東北線
JR根岸線
JR横浜線(根岸線直通電車)
東急東横線
相鉄線
みなとみらい線
横浜市営地下鉄ブルーライン
上大岡かみおおおか横浜市営地下鉄ブルーライン
金沢文庫かなざわぶんこ
金沢八景かなざわはっけい逗子線(逗子・葉山方面)
シーサイドライン
横須賀中央よこすかちゅうおう
堀ノ内ほりのうち浦賀方面(本線)
新大津しんおおつ
北久里浜きたくりはま
京急久里浜けいきゅうくりはまJR横須賀線(久里浜駅)
YRP野比ワイアールピーのび
京急長沢けいきゅうながさわ
津久井浜つくいはま
三浦海岸みうらかいがん
三崎口みさきぐち

品川方面からの羽田空港へ直通する空港線系統は以下となります。(快特停車駅のみ抜粋)

京急空港線羽田空港行きの快特、北総7260形
空港線羽田空港行きの快特(北総7260形)
駅名よみかた接続路線・備考等
泉岳寺せんがくじ都営地下鉄浅草線(一部直通運転)
JR山手線(高輪ゲートウェイ駅)
JR京浜東北線(高輪ゲートウェイ駅)
品川しながわ東海道新幹線
JR山手線
JR京浜東北線
JR東海道線
JR上野東京ライン(宇都宮線・高崎線・常磐線)
JR横須賀線
京急蒲田けいきゅうかまた横浜・横須賀中央方面(本線)
エアポート快特は通過
羽田空港第3ターミナルはねだくうこう だい3ターミナル東京モノレール
(羽田空港第3ターミナル・国際線メイン)
羽田空港第1・第2ターミナルはねだくうこう だい1・だい2ターミナル東京モノレール
(羽田空港第1ターミナル・JAL国内線メイン)
(羽田空港第2ターミナル・ANAメイン)

早朝に1本だけ存在する三浦海岸始発の列車は以下の停車駅となります。(快特停車駅のみ抜粋)

三浦海岸始発羽田空港行きの快特、2100形2157編成「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」
三浦海岸始発羽田空港行きの快特(2100形「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」)
駅名よみかた接続路線・備考等
三浦海岸みうらかいがん
津久井浜つくいはま
YRP野比ワイアールピーのび
京急久里浜けいきゅうくりはまJR横須賀線(久里浜駅)
北久里浜きたくりはま
新大津しんおおつ
堀ノ内ほりのうち浦賀方面(本線)
横須賀中央よこすかちゅうおう
金沢八景かなざわはっけい逗子線(逗子・葉山方面)
シーサイドライン
金沢文庫かなざわぶんこ
上大岡かみおおおか横浜市営地下鉄ブルーライン
横浜よこはまJR東海道線
JR上野東京ライン
JR湘南新宿ライン
JR横須賀線
JR京浜東北線
JR根岸線
JR横浜線(根岸線直通電車)
東急東横線
相鉄線
みなとみらい線
横浜市営地下鉄ブルーライン
京急川崎けいきゅうかわさき大師線(小島新田方面)
JR南武線(川崎駅)
JR東海道線(川崎駅)
JR京浜東北線(川崎駅)
京急蒲田けいきゅうかまた品川・都心・成田空港方面(本線)
羽田空港第3ターミナルはねだくうこう だい3ターミナル東京モノレール
(羽田空港第3ターミナル・国際線メイン)
羽田空港第1・第2ターミナルはねだくうこう だい1・だい2ターミナル東京モノレール
(羽田空港第1ターミナル・JAL国内線メイン)
(羽田空港第2ターミナル・ANAメイン)

京急線の快特に使われる車両は?車内は?

快特の車内についてですが、基本的には窓に背が向いた座席(ロングシート)を装備する一般的な通勤車両がメインです。

ただし日中の泉岳寺始発・泉岳寺行きの本線・久里浜線系統の快特では、進行方向前側を向いた座席(クロスシート)を装備する車両が充当されることも多いです。

2100形の車内
有料特急列車並みのサービスを提供する列車もある

早朝の三浦海岸始発羽田空港行きの列車もクロスシートを装備する車両が原則的に充てられます。

また、ロングシート主体の車両でも車両の端っこに4人が向かい合って座れる座席(ボックスシート)を装備する車両もございます。こちらには、コンセントが付いている車両もあります。

車両については本線・久里浜線系統の快特は京急の車両がメインで、空港線系統の快特は直通先他社(都営浅草線・京成線・北総線)の車両がメインです。

ただし京急の車両が充てられる空港線系統の快特もわずかにあるほか、上り列車で夜間に1本ずつ、都営浅草線の車両と京成線の車両(成田スカイアクセス線で使用されるオレンジ色の車両)が充てられる本線・久里浜線系統の快特も存在します。

京成線の車両による成田スカイアクセス線経由の快特成田空港行き、京成3050形3056編成
京成線の車両による成田スカイアクセス線経由の快特成田空港行き

トイレは原則的にどの列車もございません。(平日の一部列車において例外的にトイレを装備した車両が充てられる可能性は存在します。)

京急線の快特に乗るために必要な料金は?

京急線の快特に乗るために必要な料金は、原則的に運賃以外は必要ありません。

全座席が進行方向前側を向いている車両についても、原則的に運賃のみで乗車できます。

ただし土休日一部列車の2号車でサービスが実施されている「ウィング・シート」に関しては追加で料金が必要になります。

「ウィング・シート」の料金表は以下となります。

購入方法料金
KQuick(インターネット)で座席を予約する場合300円
ウィング・シート車内で購入する場合500円

「ウィング・シート」サービスを実施している列車は以下となります。

なお上り列車は三崎口~上大岡間、下り列車では泉岳寺~上大岡間でのみ「ウィング・シート」に乗車することができます。

・上り列車(泉岳寺行き 時刻は主要駅のみ抜粋です)

停車駅発着51号53号55号57号59号61号63号65号
三崎口11:1611:5812:3813:1813:5814:3815:1815:58
三浦海岸11:1812:0112:4113:2114:0114:4115:2116:01
京急久里浜11:3012:1012:5013:3014:1014:5015:3016:10
横須賀中央11:3912:1912:5913:3914:1914:5915:3916:19
金沢文庫11:5012:3013:1013:5014:3015:1015:5016:30
上大岡11:5712:3713:1713:5714:3715:1715:5716:37
横浜12:0512:4513:2514:0514:4515:2516:0516:45
品川12:2313:0313:4314:2315:0315:4316:2317:03
泉岳寺12:2613:0613:4614:2615:0615:4616:2617:06

・下り列車(三崎口行き 時刻は主要駅のみ抜粋です)

停車駅発着52号54号56号58号60号62号64号66号68号
泉岳寺9:5610:3711:1711:5712:3713:1713:5714:3715:17
品川9:5910:4011:1711:5712:3713:1713:5714:3715:17
京急蒲田10:0710:4711:2712:0712:4713:2714:0714:4715:27
京急川崎10:1110:5011:3012:1012:5013:3014:1014:5015:30
横浜10:2010:5811:3812:1812:5813:3814:1814;5815:38
上大岡10:3111:0811:4712:2713:0713:4714:2715:0715:07
横須賀中央10:4811:2512:0312:4313:2314:0314:4315:2316:03
京急久里浜10:5711:3412:1212:5213:3214:1214:5215:3216:12
三崎口11:0911:5212:2513:0513:4514:2515:0515:4516:25

京急の快特が速い理由とは?

京急新子安駅を高速で通過する京急の快特、2100形2165編成
高速で途中駅を通過する京急の快特

さて、京急の快特といえば速いというイメージを持つ方も多いと思います。

これには理由があり、品川~横浜間において、関東私鉄ではつくばエクスプレスの最高速度130km/hに次ぐ、最高速度120km/hの高速運転を行っているからです。

この最高速度120km/hという数値は大手私鉄の運賃のみで乗れる列車としては、京成成田スカイアクセス線のアクセス特急、名鉄線の特急などと並んで最速となります。
(有料特急を含むと京成スカイライナーの160km/h、近鉄特急の130km/hに次ぐ数値となります。)

加えて、平行するJR東海道線などと比較して、線路際に建物がそびえたつ景色や、1両あたりの車体が短い(JR在来線が20mなのに対し、京急は18m)ことなども速いイメージとして結びついていると思います。

ただし、品川・川崎・横浜相互間に限ると、時間的に早いほうはライバルとなるJR東海道線の場合が多いです。

東海道線の電車、E233系3000番台
ライバルとなるJR東海道線のほうが早い場合も多い

まとめ

ここまで解説したことを簡単にまとめます。

  • 京急線の快特の概要について
  • 停車駅について
  • 車内について
  • 速い理由について

以上のことがわかったのではないかと思います。

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