2023年はガソリンが高騰し、マイカー移動の人にとってはかなりきつい年となりました。

ガソリン代高騰を受けて一部で鉄道やバスなどの公共交通機関に移動をシフトする人も現れてきました。

今回はそれについて紹介し、鉄道などへシフトした人の事例や物価高でも値上がりしない公共交通機関についても紹介します。

ガソリン代高騰を受けて一部鉄道などへ移動手段を変更する人も

ガソリンスタンドでガソリンが高騰している料金表示

ガソリン代の高騰を受けて、帰省などの場面で鉄道に移動手段をシフトする人も出てきました。

ガソリン代高騰を受けて、例年は東北方面の実家への帰省にマイカーを使っていたAさん。

しかしながら、去年の夏はレギュラーガソリンでリッターあたり167円前後だっただったのが、173円まで高騰しており、帰省する東北圏ではなんと約180円まで高騰しています。

その現状もあり、今年から鉄道での帰省に切り替えたようです。

Aさんの帰省はいくら高くなったのか?

新幹線イメージ写真

レギュラーガソリンが東北圏では180円前後となっています。(2023年8月現在)

今回Aさんは神奈川県横浜市から宮城県仙台市に帰省するものとして、ガソリンは神奈川県横浜市と宮城県仙台市のガソリン代の差額を平均して177円として計算してみようと思います。

また、燃費はリッター15kmで計算するものとします。

横浜駅付近を起点として仙台駅付近まで帰省すると仮定して計算します。

高速料金はお盆期間中は休日割引適用外なので通常料金で計算します。

所要時間は5時間かかったものとします。

高くなったガソリン代込みでの料金は?

ルートは横浜駅西口から首都高K2→K1→湾岸→中央環状線→三郷線→常磐自動車道→仙台東部道路→仙台南部道路で長町インターまで移動したとします。

高速料金は片道9510円、往復で1万9020円で、移動距離は片道393km、往復で786kmです。消費燃料は52.4Lとします。

リッター167円だった2022年8月でかかっていたガソリン代は8751円です。(端数切り上げ)

一方で、2023年8月でかかったガソリン代は9274円です。

ガソリン代が値上がりしたといっても、500円ちょっとしか差額がありませんでした。

実際には値上がりはそこまでしていない感じがしますが、それ以上に心理的負担が大きいのかもしれません。

ガソリン代と高速代を合わせて2万8294円です。

公共交通機関との差額は?新幹線を利用した場合は?

今回Aさんは車での帰省から鉄道への帰省に切り替えたわけですが、どれくらい差が出たのでしょうか?

ルートは横浜駅から東京駅まで東海道線。東京駅からはやまびこ号の自由席利用で仙台駅へ行ったとします。

この場合、乗車券が6600円、東京から仙台までの新幹線自由席特急券は4510円です。

合計で片道1万1110円となります。往復で2万2220円です。

所要時間は2時間33分。

コスパのいい高速バスは?

時間と値段でコスパがいいのは高速バスです。

高速バスは多くは新宿駅か東京駅から出ていますが、今回は新宿駅から出ている京王バスに乗ったとします。

横浜駅から新宿駅までは東急東横線で渋谷、渋谷から新宿までは山手線を利用します。

料金は6680円で、所要時間は6時間半です。

往復料金は1万3360円です。

お盆休みでも使える格安な青春18きっぷを使った場合は?

普通列車イメージ

お盆休みでも使えるお得なきっぷといえば青春18きっぷです。

青春18きっぷイメージ

通常運賃は6600円ですが、青春18きっぷは1日JRの普通列車・快速列車が乗り放題で2410円です。

往復で4820円となります。

高速バスよりはやや時間がかかりますが、7時間45分程度で移動することができます。

車での移動と公共交通機関の移動で往復でどれだけ差が出た?

ここまで料金について紹介してきましたが、車で移動した場合と公共交通機関で移動した場合といくら差額が出たのでしょうか?

往復で計算してみたいと思います。

移動手段値段(往復)
2万8294円
新幹線2万2220円
高速バス1万3360円
普通列車(青春18きっぷ)4820円

結果は以上となりました。

一人移動の場合はやはり新幹線を使った方が車で移動したよりも所要時間が約半分となり、値段も6000円程度安くなっています。

これだけ差額があるとグリーン車に乗っても新幹線の方が安くなります。

所要時間は2時間以上増えますが、高速バスで値段が半分となり、青春18きっぷに至っては、5.87倍の差をつけています。

つまり、時間はかかりますが、頑張れば18きっぷ期間中に5往復半はでき、少し追加で支払えば6往復できてしまうことになります。

急激な物価高でも値上がりしない公共交通機関の理由とは?一体なぜ?

宇都宮線を走る651系電車

ガソリンは物価高に応じて値上がりを見せていますが、公共交通機関ではなぜ運賃値上げなどが行われないのでしょうか?

理由は運賃値上げの難しさにあります。ガソリンスタンドのように「明日から値上げします」というわけにはいかないのです。

多くの公共交通機関での値上げをするには、鉄道会社の場合は国土交通省に運賃値上げの申請を行い、認可を得なければいけません。

公共交通機関が「明日から値上げです!」ができない理由とは?

認可を受けるためには申請を行ってから約1年を要するものとなっており、2023年8月現在の急激な物価高となっても最低でも1年間は今までの運賃が据え置かれると考えていいでしょう。

確かに青春18きっぷなどの企画乗車券は発売するもしないも、JR側での自由なので許可はいりませんが、普通乗車券などの運賃値上げを行う際には認可が必要となっています。

これは鉄道会社が地域のインフラであり、優位的な立場にあることから、急激な運賃の値上げや大幅な値上げをしてしまうと、沿線住民を中心に生活費や通勤定期を出している会社に大幅な負担を強いることになってしまいます。

そのため、基本的には3年程度赤字を出さないと運賃の値上げは難しいとされています。(ホームドア設置のバリアフリーなどの理由は除く。)

大幅な値上げが認可されなかった事例も

近鉄の団体専用列車「楽」

過去に大幅な値上げを申請したものの、国土交通省から一部認可を否認されてしまった鉄道会社も存在します。

それは関西にある路線長が日本最大の私鉄「近鉄」です。

近鉄は2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う、利用客の減少・将来的な利用客の減少を見込んで、平均で17%の大幅値上げを申請していました。

近鉄は関東の私鉄と異なり、本数の多さや速達性や駅の立地などにおいてJRに優位に立っている線区も多い私鉄です。

そんな近鉄ですが、大幅値上げは一部認められない形となりました。

値上げは認められたものの「期限付き」を言い渡される

当初近鉄は運賃値上げについて「恒久的な値上げ」をしたかったのではないかと思われます。

当然ながら平均で17%もの運賃値上げが実施されることが発表されると沿線の奈良県を中心に反発の声が出ました。

その結果、奈良県の意見も反映されたのか、「2023年4月から5年間」の期限付きの値上げとなりました。

つまり、今回の値上げは5年後の2028年にまた収益状況を見て、見直されることになることを意味しています。

今後、JRや大手私鉄でも値上げが実施されるかもしれませんが、17%程度の値上げになると「恒久的な値上げ」は国土交通省に認められないという一つの事例になったともいえるのではないでしょうか?

また、関東の京急電鉄でも約10%の値上げの申請を行いましたが、これも国土交通省がパブリックコメントを募集する事態となっています。

物価高の救世主となるか 75年ぶりの路面電車開業

宇都宮LRT線路

こうした物価高の中、栃木県宇都宮市では75年ぶりとなる路面電車の新規開業が2023年8月26日に行われます。

これまで宇都宮市は車社会でしたが、通勤通学はもちろんのこと商業施設のお出かけなどにも使える路面電車が開業します。

ガソリン代が高騰する中、市民の経済的負担を軽くするきっかけになるかもしれません。

まとめ

高騰するガソリン代から公共交通機関へのシフトを始めているということを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

公共交通機関の運賃値上げの難しさなどについてもお分かりいただけたのではないでしょうか?

ガソリン代の値上がりで苦しんでいる場合は公共交通機関のシフトもしてみるといいかもしれません。

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