JR北海道が運行している「快速エアポート」について、快速エアポートの料金・指定席の予約から停車駅まで細かく解説していきます。
また、快速エアポートと車はどちらが速いのかについてもまとめていますので、最後までご覧ください。
快速エアポートとは?
そもそも、快速エアポートとは何でしょうか?快速エアポートとは、1988年に開業した新千歳空港に合わせて運行を開始した快速列車で以前は「空港ライナー」と呼ばれていた時期もあります。
運行区間は新千歳空港~札幌・小樽方面に運転されています。
過去には旭川方面に直通する特急スーパーカムイ(札幌までは快速エアポートで乗り継ぎなしで旭川まで運転)を運行していましたが、2016年のダイヤ改正で直通運転が廃止されており、現在は札幌駅で乗り換えが必要となっている点は注意が必要です。
快速エアポートの停車駅は?
快速エアポートの停車駅は新千歳空港・南千歳・千歳・恵庭・北広島・新札幌・(白石)・札幌となっています。白石駅は一部列車が停車します。
また一部列車は小樽まで運転されている列車があり、札幌を出ると、琴似・手稲・小樽築港・南小樽・小樽に止まります。
※小樽発の一部列車は札幌~小樽間で普通列車で運転している時間帯がありますので、注意が必要です。この場合は小樽~札幌間で約50分程度かかります。
※手稲止まりの列車もありますが本数が少ないので割愛します。
快速エアポートの乗り方は?予約は?
快速エアポートの乗り方について解説します。
まず新千歳空港の到着口を出て、新千歳空港の案内があるので地下に移動します。
次に券売機できっぷを買うか、ICカードで乗車します。また、指定席Uシートを利用の方は指定席券を購入します。(後でUシートについては解説します。)
最後に降りる駅できっぷかICカードで改札機を通過します。
新千歳空港駅で、快速エアポートはおおむね10分から15分間隔で運転しています。このうち札幌まで行く列車が10分から15分間隔、札幌より先小樽方面に行く列車はおおむね30分間隔となっています。
すべての列車が新千歳空港始発のため、多くの列車は発車時刻の10分~15分くらい前に入線してくることが多いです。なので、早めにホームへ行き座席を確保しておくと、移動中がストレスなく過ごせると思います。
快速エアポートの料金は?
快速エアポートを乗るためにかかる料金がいくらなのか気になっている方も多いと思います。
そこで今回は「自由席」「指定席」の両方を後ほど表示しております。
自由席と指定席の違いについて簡単にまとめると
自由席・・・運賃のみで乗車可能
指定席(Uシート)・・・運賃と指定席料金が必要
快速エアポート「自由席」「指定席Uシート」の料金は?
快速エアポートには運賃のみで乗車できる「快速エアポート自由席」と指定席の「Uシート」があります。
指定席のUシートは2022年4月1日より大幅な値上げとなっており、従来の530円から840円へと値上げされているので注意が必要です。
停車駅と運賃は次の通りです。
停車駅 | 料金・運賃 | 所要時間※ | Uシート利用時の料金 |
南千歳 | 220円 | 4分 | 1060円 |
千歳 | 270円 | 8分 | 1110円 |
恵庭 | 360円 | 14分 | 1200円 |
北広島 | 560円 | 22分 | 1400円 |
新札幌 | 880円 | 30分 | 1720円 |
白石 | 990円 | ー | 1830円 |
札幌 | 1150円 | 40分 | 1990円 |
琴似 | 1310円 | 49分 | 2150円 |
手稲 | 1310円 | 52分 | 2150円 |
小樽築港 | 1700円 | 1時間4分 | 2540円 |
南小樽 | 1700円 | 1時間8分 | 2540円 |
小樽 | 1910円 | 1時間12分 | 2750円 |
※所要時間は目安です。接続列車などの関係で列車により多少時間が異なります。
快速エアポートはSuicaで乗れますか?
快速エアポートにSuicaやPASMO、ICOCAなどを使って乗車したいという方も多いと思います。
結論、全国の交通系ICカード(PiTaPaを除く)であれば乗車が可能です。
また乗車区間に制限があり、新千歳空港~札幌・小樽・岩見沢・北海道医療大学・苫小牧間が利用できます。それ以外の区間では利用ができないので注意が必要です。
快速エアポートの割引は?お得に乗る方法は?
快速エアポートに安く乗る割引は存在するのでしょうか?
実はあります。ただし、1回乗車の場合ですと、なかなか割引にはなりませんので注意が必要です。
羽田空港などの最寄りのJRまで遠い人は青春18きっぷを使う
例えば、群馬県の高崎に住んでいる人が札幌まで行くとします。行きは在来線の普通列車で浜松町駅まで、ここまでの運賃は1980円です。
さらに、新千歳空港から札幌駅までの運賃は1150円です。
青春18きっぷは確かに普通列車しか乗れない切符ですが、飛行機でワープしてはいけないというルールはありません。
したがって、青春18きっぷ1回分で、高崎から浜松町、新千歳空港から札幌までの運賃を節約しようということも可能です。
この場合の割引額は640円となります。(一回分を2490円で計算)
道内を一周するなら北海道フリーパス
札幌だけではなく、北海道内を列車で一周する方には「北海道フリーパス」がおすすめです。
価格は7日間で2万7430円で、指定席6回分が使用できます。そのため、快速エアポートの指定席料金840円に使用することも可能です。
ぜひ鉄道オタクの方にはうまく使って節約したいきっぷです。
少しだけ安くするなら分割乗車券
正直一般の方にはお勧めしませんが、どうしても節約をしたいという方には裏技があります。それは分割乗車券です。
皆さんがよく使いそうな区間で分割する方法を調べてみましたので、この区間で分けて購入してみてください。
・新千歳空港~札幌・・・・新千歳空港~島松、島松から札幌・・・通常価格1150円、分割後1100円
・新千歳空港~小樽・・・新千歳空港~北広島、北広島~琴似、琴似から小樽・・・通常価格1910円、分割後1840円
快速エアポートの自由席は座れますか?
快速エアポートの自由席ですが、座れる時間帯や時期があり、閑散期であれば、基本的に着席は可能です。
ただし、航空機などに遅れが発生したり、お盆の時期になると座れない可能性があります。
指定席だと840円もするので、10分か15分待って座って行けた方がいいと考える人もいると思いますので、そういった方は始発列車を使って座るという方法もあります。
指定席Uシートの予約は?割引は?えきねっとがお勧め
指定席Uシートを事前に予約できないのかと思っている方も多いと思いますが、結論、事前に予約は可能です。
一つは羽田空港で出発する前に浜松町や品川駅で指定席券を購入しておくという方法です。ただし、航空機が遅延するような状況ではリスキーな選択肢なのでお勧めはしません。
もう一つは「えきねっと」で予約する方法です。JR東日本が提供するインターネットできっぷが購入できるサービスですが、「快速エアポート」ではチケットレスで利用が可能です。つまり、券売機での受け取りは不要です。
また、航空機が到着してから、新千歳空港駅までの所要時間は航空会社や駐機場の場所、荷物の預け入れ状況にも異なりますが、おおむね20分から1時間後の列車を状況にあわせて予約するといいでしょう。
慣れている人であれば、理論上、航空機が着陸して電子機器を使える状態になった瞬間から、予約するということも可能です。
また、ほとんどの人はえきねっとで予約するということを知らないので、改札口に着くまでに先を越せる可能性があるので、ぜひこの方法を使ってみてください。
ちなみに、えきねっとで840円もするUシートの指定席券がもうすこし安くならないのかという方もいるかもしれません。
結論、割引は存在しません。ただし、「北海道フリーパス」などの指定席が6回指定できるなどの条件が付いている切符があれば、指定券の回数を消化する代わりに840円の追加の支払いは免除されそうです。
「特別快速エアポート」は早朝と夜間帯に運転
快速エアポートの上位種別である、「特別快速エアポート」があるのをご存じでしょうか?この列車は早朝の時間帯に新千歳空港行きが2本、夜間帯に札幌行きが2本設定されています。
この列車の停車駅は札幌・新札幌・南千歳・新千歳空港の4駅にしか停車しない列車となっています。
早朝や夜間帯に利用する方は特別快速エアポートの存在も覚えておきましょう。
なお、朝の時間帯は新千歳空港行きが札幌発6時56分発、8時2分発、夜間帯に札幌行きが新千歳空港発20時46分発、21時55分発に運転されています。
快速エアポートは速いのか?
快速エアポートはそもそも速いのでしょうか?車で移動しようとしている人も考え直した方がいい場合があります。
快速エアポートは速い、120km/hで運転
結論、快速エアポートは速いです。札幌から新千歳空港まで普通列車だと約1時間かかりますが、快速エアポートは最速で37分で運転しています。
これは高速バスやレンタカーで移動した場合よりも速く、車で移動した場合は1時間以上かかります。
札幌~新千歳空港 車はなぜ遅い?
札幌から新千歳空港間での所要時間はなぜこれだけかかるのでしょうか?
一つは移動距離の問題です。札幌~新千歳空港間は約55kmあります。物理的に離れているというのが一つの理由です。
もう一つは冬は雪害でスピードが出せなくなることがあります。
そもそも、快速エアポートが120㎞/hで本気で走っているので、1時間以上かかるところを最速で37分で結んでおり、約半分の時間で移動できてしまうわけなのです。
まとめ
快速エアポートについてこれまでの内容をまとめると
- 快速エアポートは新千歳空港~札幌・小樽を結ぶ列車
- 120km/h運転をしており、札幌まで最速37分
- 快速エアポートには自由席と指定席がある
- 指定席Uシートの指定席料金は840円とかなり高い
- 割引はないが、青春18きっぷなどを併用で安くなることがある
- 自動車で移動すると札幌まで1時間以上かかる