今回は真岡鐡道のSLもおかと2023年8月に新規開業した宇都宮LRTに乗ってきました。
宇都宮LRTと真岡鐡道のSLを使った観光ルートと料金やお得に旅行する方法や楽しみ方についてまとめています。
主な内容はSLもおかに乗ってきた内容となりますが、後半は2023年8月に新規開業した宇都宮LRTを組み合わせた新しい観光ルートについて紹介していきます。
ぜひそちらも合わせてみていただければ幸いです。
宇都宮方面に観光したい人がいましたら、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。
SLもおかと宇都宮LRTをお得に旅行する方法
先にSLもおかを使ってお得に旅行する方法について紹介します。
東京都内から来る場合はJR宇都宮線を使うルートとつくばエクスプレス・関東鉄道を乗り継いで移動するルートがあります。
JRを使ったルートは値段が少し安くなるほか、往復JRの場合は休日お出かけパスを使えばお得に旅行することができます。
関東鉄道とつくばエクスプレスを使ったルートはつくばエクスプレスの最高速度130キロでの運転を楽しめるほか、関東鉄道常総線では電車とは違うディーゼルの音を聴きながら、非日常感を味わえると思います。
ぜひ、自分が住んでいるところや目的にあった行き方をしてみてください。
今回はJRのルートで紹介します。
SLもおかの旅行記
さて、JR宇都宮線に乗って栃木県の小山駅まで来ました。
この駅でJR水戸線に乗り換えます。
水戸線に乗り換え、SLもおかの始発駅下館駅を目指します。
水戸線に乗って小山駅をしばらく走ると、交直流切り替えをするデットセクションがあります。
デットセクションを過ぎると交流区間に入ります。
しばらくすると水戸線川島駅が見えてきます。
水戸線はかつては貨物輸送があった路線で、進行方向左側に伸びている引き込み線は日本コンクリート・太平洋セメント川島サービスステーション専用線と呼ばれており、1997年3月まで使用されていました。
時間がある方は廃線跡を辿ってみてはいかがでしょうか?
列車は下館駅に到着です。
下館駅は真岡鐡道と関東鉄道常総線、JR水戸線の3社が乗り入れている駅ですが、改札口はJRと私鉄が共通となっています。
そのため、改札口は改めて出る必要はなく、真岡鐡道のホームにはSuicaで入場した人用の簡易改札機が設置されています。
ただ、下館駅の改札外にコンビニNewDaysがあるので、飲み物や軽食類が必要な方は改札外に出た方がいいと思います。
今回は水戸線ホーム2番線からそのまま真岡鐡道のホームへ向かいます。
ちなみにここまでの料金は東京から小山経由で下館まで行った場合の運賃は1690円となっています。
真岡鉄道のホームでは乗車券の発売とSLもおかの乗車整理券の販売をしていましたので、先に購入することにしました。
きっぷは下館から茂木(もてぎ)駅までの片道乗車券1050円とSLもおかの乗車整理券を500円で購入しました。支払いは現金のみでSuicaなどの交通系ICやクレジットカードが使えないので注意が必要です。
お伝えするのを忘れていましたが「とある理由」で、SLもおかの出発時刻約1時間前に下館駅に到着しています。
なぜ出発時間の1時間前に来たのか、その理由について説明します。
まずは、1時間前に来ることで乗車券の購入とSL整理券の引き換えをスムーズに行うことができます。
発車時間20分前くらいにはかなりの人が列を作っていた印象でした。
もう一つは、一般の方が知らない早く来ることで出会える「とある列車」を見ることができます。
時刻は9時56分頃。普通列車が来ない時間帯に「とある列車」がやってきました。
なにやら、赤いディーゼル機関車の変わった列車が来ました。
SLではないようです。
しかし、この列車こそ、SLもおかになる列車なのです。
実は真岡駅から下館駅まで回送列車として入ってくる列車で、SLの進行方向と逆向きに走るためディーゼル機関車が連結されて入線されるというわけです。
数分間停車した後、入換作業のため、一旦ホームを離れ留置線へ。
10時17分発の普通列車を見送った後、ディーゼル機関車を切り離して、再び下館駅のホームに入線します。
10時20分、SLもおかが再び入換作業を始めました。機関車の進行方向とは逆向きに入線してきます。
10時23分、SLもおか入線。
ついに扉が開きました。
乗ってすぐにボックスシートを確保。
SLもおかは客車が3両つながれており、乗車するには予約をしておいた方がいいですが、他のSLでは指定席で運転されることもありますが、全車両自由席のため、並んで早めに席を確保する必要があります。
しかも、ボックスシート窓側はすぐ埋まってしまうので、混雑する時期は気を付けた方が良さそうです。
あとは、SLもおかはどちらかというと「観光列車向きではない」ということも知っておいた方がいいです。
車両両端の座席を見るとその理由が分かります。
実は使用されている50系客車は「通勤通学用」に設計されたものであり、SL列車としては珍しい「ロングシート」「つり革」が設置されています。
そのため、正直「ボックスシート」に座れないとハズレ席という感じがする人もいると思いますし、乗車した日は混雑していたのでつり革につかまる人もいました。
それに加えて夏季に問題になるのは、「クーラーがついていない」こと。
そのため、気温が35℃の猛暑日であっても、窓を開けて、外の風と「扇風機」の風に当たるほかないのです。夏場は熱中症対策が必要かもしれません。
逆に言うと、50系客車に当たり前に乗れた時代を思い出させるような内装になっているので、その歴史的価値の側面で見ると貴重なのかもしれません。
SLもおかは、汽笛一声、下館駅を定刻通り10時35分に出発しました。
沿線にはSLもおかを見ようとたくさんの人が集まっていました。
列車が発車してまず聴こえてくるのは、寝台特急などでもおなじみだった「ハイケンスのセレナーデ」。
いよいよ、貴重となったSL客車列車の旅が始まります。
しかし、発車してすぐに違和感を感じることになります。
SLの一番後ろがいいと思い、1号車に乗車したのですが、暑かったので窓が開いており、何やら「黒いもの」が服についていました。
SLの観光列車で窓が開かないことも多いのでなかなかないのですが、SLもおかだと煙突から出てくる「黒い煤(スス)」が1号車だと入ってきます。
もしかすると、煤が気になる人は後ろの車両に乗った方がいいかもしれませんね。
乗車すると車掌さんが乗車整理券ときっぷの確認にやってきました。ここで、切符を見せると乗車記念証をもらうことができます。昔懐かしい「硬券」です。
列車は途中の真岡駅に到着。SL型の駅舎が印象的です。駅前には9600形蒸気機関車などが展示されている「キューロク館」があります。職員さんもSLもおかを歓迎しています。
そのほかにも確か、真岡駅の2階には資料が展示されていたり、山手線のシミュレーターが遊べたはずです。
この駅でツアー客などだいたい半分くらいの人が下りていきました。
意外と短距離利用客が多いのかもしれません。
立ち客もいた車内は落ち着き、SLとの記念撮影をしている人が多かったです。
列車は平野が広がる区間から、徐々に山々に囲まれた区間に入っていきます。
途中の益子駅に到着。
益子駅では3分の1くらいの乗客が降りていきました。
益子は陶芸の町として有名で、「益子陶芸美術館」などの観光地もあります。ただし、バスの本数が少なく、場所によっては徒歩30分となっているところもあるので注意が必要です。
列車は益子駅を発車。下館駅出発後の車内は混んでいたのにも関わらず、座席は空席が多くなり、車内も空いてきました。
列車は緑生い茂る区間に突入しました。
個人的には終点の茂木駅手前の区間が山越え区間となっており、SLが力強く坂を登っていくのを感じられます。
進行方向右側を見ると、「道の駅もてぎ」からSLに向けて多くの人が手を振っています。
列車は終点の茂木駅に到着。かつて計画され、建設されることなく終わった、国鉄長倉線を思い出させるような、途中で切れている線路も見ることができます。
SLの旅は終わりましたが、まだイベントはあります。
列車到着後、SLは一旦後ろに後退。
そのあと、転車台にSLが来て方向転換をします。
最後にSLの運転士さんから「今日はどうもありがとうございました」と一言。
列車は帰りのSLの準備のため給水作業などを行っていました。
ここで、茂木駅の改札口を出ます。自動改札機はなく、乗車券は昔ながらの手渡しで回収するスタイルとなっています。
茂木駅の駅前は正直閑散としているイメージでした。
周辺を調べたところ、駅に隣接しているそば屋があるほか、駅前にもう一軒そば屋があります。
駅から近いところで食べれるところはその2か所で、駅から1kmくらい離れたところに「道の駅もてぎ」があるのでそこまで徒歩で向かうのもいいかもしれません。個人的には道の駅もてぎの方が食べ物は美味しいのとジェラートとかもあった気がするので、グルメな人は道の駅もてぎがおすすめです。(この後のバスにもバス停から乗れます)
この後バスに乗り継ぎますが、待ち合わせ時間は約1時間半あります。
正直茂木駅周辺に観光地はありませんので、1時間半あると正直待ち時間をつぶすのは退屈かもしれません。
駅そばで山菜天ぷらそばを食べました。650円。
今回行ったときは暑かったので、駅そばを食べた後は、駅の待合室で過ごしました。
13時20分、バスの発車時刻の10分前になったので、バス乗り場の並び始めました。
列が長かったので座れないかと思いましたが、意外だったのですが、茂木駅から乗車した方は全員着席されていました。
ちなみに、茂木発のバスはSL運行がある日1日3本となっていて、かなり本数が少なくなっています。
13時30分、JR宇都宮駅行きのJRバスに乗車。茂木駅を出発します。このバス停から宇都宮方面に行く最終のバスです。乗り遅れると取り残されることになるので注意が必要です。
茂木駅を発車するとしばらくは山越えの区間に入っていきます。
カーブが多いので、スマホをやってると結構酔います。
途中、市貝温泉、芳賀ロマンの湯など温泉が出るところにいくつか停車します。
たしか芳賀ロマンの湯にも道の駅が併設されていて、ジェラートが食べれたはずです。
バスは山越え区間をぬけ、芳賀工業団地管理センター前に着きました。
ここでLRTに乗り換えることができます。
ここまでのバス運賃は950円となっており、結構高い印象を受けました。
茂木駅や芳賀ロマンの湯から乗ってきたお客さんのほとんどはこの駅で乗り換えていきました。
約20人の人がこの駅で降りていき、芳賀工業団地管理センター前から先の区間を乗る人は私を含めて3人しか乗っていませんでした。
ここまでのJRバス運賃は950円です。
約20人の人がバスからLRTに乗り換える様子は、某街づくりゲームの人の流れを見ているような感じでした。
ここで降りて、宇都宮方面に行くのもいいのですが、用事があったのでこの先で降りることにしました。
降りたのは、ゆいの杜(ゆいのもり)6丁目。ここで降りたのば自分一人でした。
LRTだとゆいの杜中央のあたりですが、LRTで来るよりゆいの杜で降りるのであればバスをそのまま乗り継いでいた方がいいかもしれません。
実際乗り継ぐ時間を待つより、先に着きます。
ゆいの杜で降りたのが、14時11分。
ゆいの杜は新しく出来たいわゆる「ニュータウン」で、当初は分譲したものの全く売れなかったそう。
しかし、宇都宮LRTができる見通しが経つと2016年には約1000人の人口が増えたよう。
2021年データで約7000人の人口がいるとされ、LRT開業で今後も増加が見込まれる地域です。
LRTがなかった頃は危うく失敗する可能性もありましたが、今では活気が溢れる街となっています。
あとでTwitterにLRTの投稿をしたら「万バズ」したのですが、コメントにゆいの杜とか芳賀の人はこれまでバスや代行タクシーで帰らなきゃ行けなくて、バスだと本数が少ないので気軽に使えず、代行タクシーだと飲み代より高くなる場合もあり、なかなか宇都宮市内の飲み屋に行けなかったようです。
しかし、LRTができて夜遅くまでいても、気軽に帰れる環境ができたことで、東口の飲み屋や飲み会に行く人も多いようです。平日の夕方18時とかにLRTを乗ると、宇都宮方面へ飲み屋に行くと思われる人も見かけました。
周辺にはスーパーやファミレスがあるほか、新しくできた小学校とかもあり、LRT開業したため周辺にはLRTを模した外観となっている店もあります。
宇都宮LRTに乗ってただ帰るだけの方もいると思いますが、ぜひ降りてみてください。
そんなゆいの杜の駅前のスタバに寄ってみました。
バス酔いで休憩したかったのと、スマホの充電が切れかかっていたので、充電がてらお茶をすることにしました。(この辺まで充電できるスポットがないので、モバイルバッテリーを持ち歩くとかして注意する必要があるかも。)
パソコンで作業をしていたら、気づいたら夜になっていました。
そういえば、友人から宇都宮LRT開業後の感想を聞いたのですが、「活気がすごい」「宇都宮はこれからいい街になる」と言っていました。
ぜひ、西口の雰囲気も楽しんでほしいです。
すっかり夜になりましたが、ここから宇都宮LRTに乗車していきます。
途中の飛山城跡駅に寄ってみるのも秘境駅感を味わえるのでお勧めです。
昼間もいいですが、なかなか夜の宇都宮LRTもいいですよ。
列車は途中に平石駅に到着。
少し夜なので分かりづらいですが、平石駅の無料駐車場には多くの車が止まっているのが分かります。
この平石駅のすぐ近くには新四号バイパスという一応国道ですが、「無料高速」があり、100km/hくらい出している車もいるので、この辺りまでは小山などからも比較的短時間で到着することが可能となっています。
しかし、平石駅から先、宇都宮東口方面へは片側1車線にLRT開業で削減されているため渋滞しやすい区間となっています。
それに、宇都宮駅前の駐車場もそこまで安くないので、駐車場代を払うくらいなら、片道200円のLRTに乗って宇都宮駅周辺の飲食店や職場に行った方がお得からなのかもしれません。
列車に乗っていると、このように市民の移動の仕方も変化しているのが分かります。
平石駅を出ると立体交差に入り、道路とLRTが一緒に走る併用区間に入っていきます。
道路が渋滞していてもスイスイ通り過ぎていけるのが、LRTの魅力。
中には優越感を感じながら乗っている人もいるそうです。
列車は宇都宮大学陽東キャンパス前に到着。
この駅はベルモールというショッピングセンターの最寄り駅となっています。
そのため、夕方で夕ご飯を食べ終わった人なのか、ショッピングを済ませた方なのか、かなりの人が乗ってきます。
日中はかなり混雑しており、おそらく土休日に常態化している40分~1時間遅延している原因は恐らく、このベルモールまでの乗客ということになります。(乗車した日も1時間遅れで運転)
列車はベルモール前を出発し、途中駅でも人が降りていたほか、東宿郷で恐らく飲み屋に行くであろう人達も居りていきました。
列車は終点の宇都宮駅東口に到着。宇都宮LRTの旅はここで終了です。
宇都宮駅からはJR宇都宮線に乗って、帰路につきました。
今度はおいしい店を探索してみたいと思っています。
今回の旅行記はこれで終わりです。今回もご覧いただきありがとうございます。