2024年3月16日に開業日が決定した北陸新幹線敦賀延伸。
しかし、その陰で大幅値上げが運行形態変更で行われる予想となっています。
今回は大阪・名古屋~金沢間で主に行われる大幅値上げについて取り上げたいと思います。
2023年9月22日発表のJR西日本公式発表の結果を踏まえて、内容を一部変更しています。
北陸新幹線敦賀延伸でどうして大幅値上げ
通常は新幹線が開業することは大幅な所要時間の短縮、利便性の向上がされ、また金沢延伸時には観光客が増えたなど、沿線からは歓迎されることが多いです。
しかしながら、福井県を中心に北陸新幹線敦賀延伸に対して反対の声や、鉄道ファンからは特急料金の大幅な値上げに見合わない時間短縮などの声が上がっています。
今回は特急料金大幅値上げについてフォーカスして解説していこうと思います。
※敦賀延伸後の特急料金については公表されていませんが、従来通りの計算方法での金額で算出していきます。
※2023年8月現在の料金で算出し、ルート変更による営業キロの変更は考慮していません。(運賃・特急料金が変更になる可能性があります。)
※推定のため、実際の料金とは異なる可能性があります。
【しらさぎルート】特急料金が名古屋~金沢間で最大3回徴収へ 費用を抑えるには?
北陸新幹線敦賀延伸で大きく影響を受けそうな区間は名古屋~金沢など、中京圏・東海地方から金沢へ向かう人へは最大3回の特急料金徴収が行われることになります。
2024年3月15日までの特急料金は次の通りです。
①東海道新幹線新幹線特急料金(名古屋~米原間)・・・1760円(自由席・指定席は通常期で520円加算)
②特急しらさぎ特急料金(米原~金沢間)・・・1100円(自由席・指定席は通常期で260円加算)
名古屋~金沢を2024年3月16日以降移動する場合は3回特急料金がかかることになります。
①東海道新幹線特急料金(名古屋~米原間)・・・1760円(自由席・指定席は通常期で520円加算)
②特急しらさぎ特急料金(米原~敦賀間)・・・380円(自由席・指定席は通常期で260円加算)
③北陸新幹線特急料金(敦賀~金沢間)・・・2640円(推定・自由席・指定席は520円加算)
北陸新幹線敦賀延伸後は以上の通りになります。
結論:名古屋~金沢は1620円値上げへ
ここまでの計算を比較してみましょう。
敦賀延伸前は特急料金が2860円だったものが、敦賀延伸後は4780円となり最低でも1920円以上値上げが見込まれていました。
しかし、2023年9月22日の公式発表によりますと、名古屋・金沢間の特急料金については4570円で決定しました。運賃は4510円です。従来と比較して、1620円の大幅な値上げとなります。(普通車指定席の場合)
これは北陸新幹線開業後に乗り継ぎ駅の敦賀駅で改札を出ない場合に限り、特急料金を割り引くという制度が適用されたため値上げ幅が300円ですが、縮小された形です。
しかし、特急しらさぎ号は名古屋始発の列車が少ないため、東海道新幹線で米原まで行かなければいけない列車も存在します。その場合は料金が割高になりますので注意が必要です。
グリーン車を使う際には要注意 3回分のグリーン料金が徴収
先ほどと同様にグリーン車を使う際には注意が必要となります。
これまでは特急券込みで名古屋~米原間3060円、米原~金沢間は3900円で利用することができました。
しかしながら、敦賀延伸後は名古屋~米原は同料金ですが、米原~敦賀が1680円、5440円となります。
すると、グリーン車を利用した時はこれまで6960円で利用できましたが、1万180円に大幅値上げとなり、3220円も値上げとなります。
敦賀延伸後はグリーン車を利用する際には距離の割には高額となるので注意が必要です。
追記:こちらは公式発表がされておらず、まだ料金は確定していません。
値上げから回避する方法とは?
北陸新幹線敦賀開業後に値上げを回避する方法がありますので、2つ紹介していきたいと思います。
名古屋始発の特急しらさぎを利用する
一つは名古屋始発の特急しらさぎを利用することです。
時間短縮という面では所要時間が増えますが、乗り継ぎ割引が適用され、特急料金の節約につながります。
ただし、名古屋発着の特急列車は少ないので注意が必要です。
高速バスを利用する
時間こそ約3時間以上かかりますが、JRが1920円は最低値上げすることを考えると、たった4000円程度で移動できてしまうのは利点かもしれません。(時期によって変動します)
敦賀開業後も2時間程度はかかると思われますので、数千円差額があるなら1時間くらい遅くなるのは我慢できるという人であれば、バスの移動がコスパがいいのではないでしょうか?
約2000円値上げになるとJRから名鉄バスにシフトする人も出てくるかもしれませんね。
【サンダーバードルート】大阪~金沢も大幅値上げ 特に福井はたった3分短縮で単なる値上げに
特急サンダーバードを利用した大阪~金沢間の特急料金も大幅な値上げとなります。
特に福井駅は北陸新幹線敦賀開業後もサンダーバードがあったころと比較してもたった3分しか短縮されません。
乗り換えが生じることになった点を踏まえると福井県にとってはマイナスなのかもしれせん。
大阪~金沢はいくら値上げ?大幅値上げが発表
大阪~金沢間の特急料金はいくら値上げになるのでしょうか?
現在2023年9月現在、金沢~大阪までの特急料金は2420円となっています。
いくら値上げになるのかについて話を戻します。
敦賀開業後は特急料金は次のように変更となります。
①大阪~敦賀間特急料金・・・1860円→1670円(乗り継ぎ割引は廃止・適用無し)
②敦賀~金沢間特急料金・・・2640円→2370円(推定自由席・指定席は通常期520円加算)
合計すると4570円となり、敦賀延伸開業前と比較して、乗り継ぎ割引適用であれば1150円値上げなのに対して、1620円の値上げとなります。
大阪~富山についても時間短縮効果が少しあるとはいえ、700円の値上げが発表されています。当初の予想よりは軽減された形です。
福井県にはマイナス効果?たった3分しか短縮されないのに値上げ?
今回の敦賀延伸開業であまり恩恵を受けないのは福井県かもしれません。
一番特筆すべき点は時間短縮が最速列車でたった3分しか短縮されないことです。つまり、列車によっては短縮されないか、乗り継ぎの関係で遅くなる列車も出てくるのではないでしょうか?
推定では約600円ほど値上げになると思われていましたが、京都発で900円、大阪、新大阪発で1150円の大幅値上げとなりました。
たった3分のために1150円値上げは馬鹿馬鹿しいと感じるかもしれませんが、敦賀と福井までの交通機関が並行する在来線しかないため、回避する方法はないでしょう。18.7%程度値上げですが、受け入れるしかなさそうです。
値上げ以上にマイナスな点は?半額きっぷ発売の可能性は?
余談ですが、サンダーバードが一部停車していた鯖江駅には新幹線は停車せず、武生(たけふ)駅も「越前たけふ駅」という新幹線単独駅となってしまうため、武生と鯖江の人からすると値上げされた挙句、所要時間も増えて不便になるということになるのではないでしょうか?
また、福井⇔東京都区内については割引切符も設定されており、条件付きで最大で2440円割引となるきっぷも設定されていますが、これも1000円程度の割引に縮小されるかもしれません。
ただ、北陸新幹線では半額きっぷが発売されることもあり、これが福井や敦賀などでも発売される可能性があります。
そうすると、お得に旅行できる機会があるかもしれません。
お得な特急料金の廃止? 周遊パスも廃止され、復活は無し?
また、この区間にはお得な特急料金も設定されていて、eチケットレス特急券を使うと指定席なのに2310円で利用することができるきっぷがあります。
今のところ発表はありませんが、北陸新幹線にお得な特急料金がないことを考えると、eチケットレス特急券も廃止になる可能性があり、実質的な値上げとなります。(乗車券と特急料金がセットのeきっぷは存続?)
ちなみに大阪~北陸へお得に旅行できた「北陸乗り放題きっぷ」が敦賀延伸の概要発表前に、「静かに」廃止となっており、こういったきっぷも今後は発売されない可能性が高いです。
2023年8月現在でも復活していないことも考えると復活せずそのまま廃止の可能性が高いでしょう。
まとめ
ここまで、北陸新幹線敦賀開業後の大幅な値上げについてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?
・新幹線開業後名古屋~金沢は約2000円の大幅値上げ(新幹線経由)、しらさぎのみでも1620円値上げ。
・大幅値上げ回避で名古屋~金沢は高速バスにシフトする人もいる?
・大阪金沢が1620円値上げ
・大阪富山が700円値上げ
・大阪福井は3分しか短縮されないのに、1150円値上げ