数多くの特急電車を走らせている近鉄において、特に根強い人気を誇る2階建てが特徴で「ビスタカー」の愛称で呼ばれる電車があります。

今回の記事では特急「ビスタカー」の座席や料金、予約方法などをまとめてみました。

近鉄特急ビスタカーとは

近鉄ビスタカー
近鉄特急ビスタカー

近鉄特急ビスタカーは、大阪・京都・名古屋方面から伊勢志摩や奈良方面に向かう特急電車で、特に2階建ての車両を含んだ列車のことを指した愛称です。

1958年に初代ビスタカーが登場して以来、長年にわたって近鉄のシンボルとして活躍していて、現在は3代目の「ビスタEX」が運行中です。

なお一部の区間において、1階建て車両ながらもビスタカーと同じ路線を走る特急のこともビスタカーと呼称されていますが、2階建て車両と区別するため1階建て車両のものは「スタンダードタイプ」と呼ばれています。

近鉄特急ビスタカーの座席について

ビスタカーの最大の特徴でもある2階建ての車両。4両編成のビスタEXでは2両目と3両目がその車両となっています。

1階席が階下席、2階席が階上席と呼ばれていて、それぞれに特徴があります。

階上席(2階席)の特徴

ビスタカーに乗車するなら誰もが乗ってみたいと思う階上席。

座席は2列×2列の一般的な4列シート構成となっていますが、特徴的なのは側面の窓ガラスです。

ビスタカーの階上席では、窓ガラスに曲面ガラスを採用することで上部に湾曲する形となっていて、ガラスの面積が広くなっています。

これによって、階上席の高い位置から道中の景色がよく見えるようになるだけでなく、シートの高さを出すことを可能としたり、日中には陽の光が差し込んで明るく暖かい車内を作り出す効果にもつながっています。

残念ながら、座席にコンセントやWi-fiは備えられていないので乗車時には気をつけてください。

階下席(1階席)の特徴

1人でも利用が可能な階上席と違い、階下席は3名以上のグループ専用席となっています。

入り口をパーティションで区切られた個室風のスペースに、ヨットのキャビンをイメージした3~5名用のソファが設置されています。

ソファの中央には、天然木仕様のテーブルも配置されており家族や友人連れでの旅行に最適です。

ソファは壁を背にしているので、リクライニングはしない構造なのでご注意ください。

また、階下席も階上席と同じくコンセントやWi-fiの設備はありません。

近鉄特急ビスタカーの予約方法

ビスタカーの予約は、他の近鉄特急と同様にインターネット、近鉄の主要駅の窓口や券売機、旅行会社などで購入することができます。

予約はインターネット、駅での購入ともに1ヶ月前の10時30分から可能となっています。

旅行会社の発売時期は各旅行会社へお問い合わせください。

インターネットで予約

近鉄の各列車の特急券は、インターネットの専用サイトで予約・購入することができます。

近鉄はインターネットでの購入を推進していて、チケットレスでの乗車ができることや、予約時点で自分で空席状況を確認して席を選ぶことができるなど、メリットが多くあります。

クレジットカードさえあれば会員登録も行わずに利用ができますので、お手軽に利用が可能です。

ただし、会員登録を行えば利用額の10%のポイントが貯まるため、近鉄を多く利用する預定がある方であれば会員登録をしてから利用するのをおすすめします。

駅の窓口で予約

インターネットの操作が不安な方や、近鉄をよく利用する方であれば主要駅の窓口での予約・購入がおすすめです。

駅の営業時間(基本的に5時30分~23時20分)の間しか購入ができないため、人気の路線や時間帯を予約したい場合には注意してください。

旅行会社で予約

近鉄の特急券は、国内旅行を扱う旅行会社の窓口でも予約・購入が可能です。

旅行会社や店舗によってはツアー旅行のみの取り扱いの場合もありますので、旅行会社での購入を検討している場合は直接お問い合わせのうえでご利用ください。

旅行会社では、特急券に観光や宿泊をセットにしたツアーが販売されていることが多いため、用途によってはインターネットや窓口で購入するよりもお得に購入することができる場合もあります。

近鉄特急ビスタカーの料金と停車駅

ビスタカーは、名阪特急と吉野線特急以外の全ての近鉄特急の路線で運行されています。

料金と停車駅

多くの路線で運行されているビスタカーですが、大阪難波・京都・近鉄名古屋を起点として、橿原神宮前や賢島を結ぶものが主要路線となります。

料金は乗車券の他に特急券が必要となりますが、特急「ひのとり」などで必要になる特別車両料金は必要ありません。

ここでは代表的な路線の停車駅と料金について紹介します。その他の路線を利用される方は、近鉄のホームページから確認してみてください。

  • 大阪難波から賢島

大阪難波と賢島を結ぶ路線は以下の駅に停車します。

大阪難波~大阪上本町~鶴橋~大和高田~大和八木~榛原~名張~伊賀神戸~伊勢中川~松阪~伊勢市~宇治山田~五十鈴川~鳥羽~志摩磯部~鵜方~賢島

大阪難波から賢島までの料金は、乗車券2,350円+特急券1,640円の合計3,990円となります。

  • 京都から橿原神宮前

京都と橿原神宮前を結ぶ路線は以下の駅に停車します。

京都~近鉄丹波橋~高の原~大和西大寺~大和八木駅~橿原神宮前

京都から橿原神宮前までの料金は、乗車券900円+特急券920円の合計1,820円となります。

  • 近鉄名古屋から大阪難波

近鉄名古屋から大阪難波を結ぶ路線は以下の駅に停車します。

近鉄名古屋~桑名~近鉄四日市~白子~津~名張~大和八木~鶴橋~大阪上本町~大阪難波

近鉄名古屋から大阪難波までの料金は、乗車券2,410円+特急券2,130円の合計3,540円となります。

お得な割引料金はある?

ビスタカーに乗車する場合、特急券に関しては残念ながら割引は行われていません。

少しでもお得にチケットを購入したい場合は、インターネットでの購入を利用して10%ポイント還元を狙うのがおすすめです。

その他に、乗車券に関しては週末フリーパスなどの近鉄のおトクなきっぷを使うことが可能ですので、用途に応じて利用を検討してみてください。

まとめ

近鉄のシンボルカーとして長年活躍を続ける、特急ビスタカーについて紹介しました。

内容をまとめると

  • ビスタカーは近鉄特急の中でも2階建て車両を持つものを指す
  • 階上席は個人利用が可能で景観が良い大きな窓が特徴
  • 階下席はグループ利用専用
  • ビスタカーは名阪特急と吉野線特急以外の全ての路線で運行中
  • 必要な運賃は乗車券と特急券のみで特別車両料金は不要

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