京急が行った2022年11月に行われた大規模なダイヤ改正。ある種別では減便もされたようです。

利便性の改善や合理化などを目的に、様々な箇所でメスが入るダイヤ改正となり、便利になったところ・不便になったところ問わず、様々な変化がありました。

いったい、どのように変化したのでしょうか?

そして利用者という目線から、利便性や混雑など、どんなところに変化が生じたのでしょうか?

今回の記事ではそんな京急の大規模ダイヤ改正について、変化した点や良くなった点、逆に悪くなった点など様々な視点から見ていきたいと思います。

京急のダイヤ改正の詳細

まずは2022年11月26日に実施されたダイヤ改正について、その主な内容を見ていきましょう。

日中時間帯で快特が特急に格下げ

快特

まず一番大きい点は、日中時間帯の一部の快特が特急になった点です。

それまで日中時間帯は1時間に6本ほど、品川・都心方面と横浜・横須賀方面を結ぶ速達列車として、快特が運転されていました。

この快特はそれまで泉岳寺を始発・終着とする京急線内の列車と、都営浅草線・京成線方面へ直通する列車の2種類が運転されていました。

基本的に20分間隔で交互に運転され久里浜線まで直通し、京急久里浜・三崎口まで運転されていましたが、このダイヤ改正によって都営浅草線・京成線方面へ直通する快特が、特急に格下げされています。

また空港線羽田空港方面から品川・都心方面へ向かう快特も、北総線印旛日本医大駅を始発・終着とする列車を中心に、約半数が特急に格下げされています。

日中時間帯に特急が運転されるのは23年ぶり

京急イメージ

特急が日中時間帯に運転することは2010年5月の京急蒲田駅周辺連続立体交差事業に伴う、周辺の上り線が高架化されたことに伴うダイヤ改正から。

12両編成の快特の後ろ4両として運転され、京急川崎~羽田空港間は4両単独で特急として運転された列車が、ごく一部を除いて廃止されたとき以来となり、それを除くと1999年7月のダイヤ改正で、日中の都営浅草線方面行き特急が快特に格上げされた時以来、およそ23年ぶりとなります。

ただしこの一部快特の特急格下げに合わせて、日中時間帯の横浜方面と羽田空港を結ぶエアポート急行が、10分に1本間隔から20分に1本間隔に減便。

エアポート急行の減便に関連して、平日朝ラッシュ時間帯に運転されている、横浜方面からの羽田空港行き特急も減便されたほか、金沢文庫~逗子・葉山間でエアポート急行を補完する普通車が設定され、逗子線内各駅は10分に1本、引き続き列車が確保されています。

また日中時間帯の運転パターン変更に伴って、普通車の運転パターンも変更され、速達列車への対面乗り換えがしやすくなりました。

基本的に20分間隔で交互に運転され久里浜線まで直通し、京急久里浜・三崎口まで運転されていましたが、このダイヤ改正によって都営浅草線・京成線方面へ直通する快特が、特急に格下げされています。

また空港線羽田空港方面から品川・都心方面へ向かう快特も、北総線印旛日本医大駅を始発・終着とする列車を中心に、約半数が特急に格下げされています。

特急が日中時間帯に運転することは2010年5月の、京急蒲田駅周辺連続立体交差事業に伴う、周辺の上り線が高架化されたことに伴うダイヤ改正にて、12両編成の快特の後ろ4両として運転され、京急川崎~羽田空港間は4両単独で特急として運転された列車が、ごく一部を除いて廃止されたとき以来となり、それを除くと1999年7月のダイヤ改正で、日中の都営浅草線方面行き特急が快特に格上げされた時以来、およそ23年ぶりとなります。

エアポート急行の減便

京急イメージ

ただしこの一部快特の特急格下げに合わせて、日中時間帯の横浜方面と羽田空港を結ぶエアポート急行が、10分に1本間隔から20分に1本間隔に減便。

エアポート急行の減便に関連して、平日朝ラッシュ時間帯に運転されている、横浜方面からの羽田空港行き特急も減便されたほか、金沢文庫~逗子・葉山間でエアポート急行を補完する普通車が設定され、逗子線内各駅は10分に1本、引き続き列車が確保されています。

また日中時間帯の運転パターン変更に伴って、普通車の運転パターンも変更され、速達列車への対面乗り換えがしやすくなりました。

有料着席サービスにも変化が

有料着席サービスにもメスが入っています。

京急では2015年から平日朝の通勤時間帯に、有料着席列車「モーニング・ウィング号」を運転しており、2019年からは3本が運転されています。

このうち5号については他の2本よりも遅い時間帯に運転され、なおかつ品川行きではなく泉岳寺行きという特徴があるのですが、これまでは品川駅9時半ちょっと前の到着であり、10時程度出社の人でないと使いにくいダイヤ設定でした。

そのため満席で運転されることも多いほかの2本と比較して、ギリギリにWing Ticketを購入することも可能な列車でしたが、この改正で品川駅の到着が9時前に繰り上がって、より早い出社時間の方でも利用がしやすくなりました。

またウィング号関連では土休日の一部快特の2号車に設定されている、ウィング・シートの設定列車が増え、同時に乗車可能駅も増やされています。

朝ラッシュ時間帯では速達列車が減便

また、朝ラッシュ時間帯にもメスが入っています。

朝ラッシュ時間帯は先述した羽田空港行き特急減便の他、比較的利用の少ない特急・快特への増結が廃止されました。

羽田空港行き特急の前に神奈川新町まで増結する車両や、金沢文庫駅8時49分発以降に増結される列車の増結が、一律で取りやめになっています。

これによって通勤ラッシュ時間帯の金沢文庫~品川間にて、12両編成で運転される上り列車は、金沢文庫8時36分発の京成佐倉行き特急が最終となりました。

そのほか通勤快特を起源に持つ、金沢文庫以南を特急として運転し、金沢文庫以北を快特として運転する品川行きについてですが、女性専用車両が設定される列車のうち最初の1本を除いた、最混雑時間帯の6本が全区間特急列車に格下げされました。

この他には土休日の空港線快特、および本線・久里浜線系統特急の運転時間拡大や、その他の細かい行先・種別の変更、また時間調整を主な目的とすると思われる、快特の余裕時分確保が行われています。

快特は下り列車が横浜駅で、上り列車が京急蒲田駅で、停車時間が2分程度と長めに取られており、それに伴って所要時間も若干増加しています。

利用者目線での変化は?

さて先程説明したように、京急線では2022年11月のダイヤ改正で、様々な箇所にメスが入りました。
これからそれがどのような影響を与えたのかについて、良かった点と悪くなった・微妙だなと思う点とで切り分けて、解説していきたいと思います。

ダイヤ改正で良くなった点

まずは、良くなった点から紹介します。

一番の良くなった点として挙げられるポイントは、特急停車駅における乗車機会の向上です。

特に特筆するべき点は都心側の平和島と青物横丁です。

この両駅は2012年の京急蒲田駅全面高架化以降、日中の品川・都心方面を結ぶエアポート急行が、すべて快特に格上げされて以降、日中時間帯は普通車のみの停車、その普通車も1時間に9本だったものが、昨今の情勢下で近年6本に削減されていました。

一方でラッシュ時間帯などは多数の特急や、エアポート急行が停車することもあって、朝ラッシュ時間帯などと日中時間帯とで、列車本数や主要駅までの所要時間に、かなりバラツキがあったのですが、これも幾らか解消が図られました。

また空港線特急も半数が全区間特急になることで、空港線内途中駅から都心へ向かう際の乗り換えがなくなり、アクセス性も向上しています。

平和島・青物横丁でのアクセス向上

都内側の特急停車駅である平和島・青物横丁は、ともに駅勢圏人口が多いほか、平和島駅付近にはアミューズメント施設「ビッグファン平和島」があり、そこにはボートレース場の平和島競艇場が併設され、レース開催時にはそこへ訪れる乗客も多数いる他、一番近い駅はりんかい線品川シーサイド駅ですが、多数のオフィスビルがある再開発エリアの、品川シーサイドフォレストに関しても、青物横丁駅から徒歩10分圏内でアクセス可能な立地にあるなど、どちらの駅も利用者を多く集める施設が付近にもあります。

それゆえこの日中時間帯特急運転に関しては、かなり良い方向に繋がるものと考えることができます。

そのほかより停車駅の多い速達種別である特急の日中時間帯運転再開で、待避可能駅における普通車との相互乗り換えも容易になりました。

そのため普通車の基本的な運転パターンも変更し、速達列車の積極的な接続を行うことによって、普通車のみが停車する比較的小規模な駅からも、目的地までより速く移動可能となったパターンが増えました。

それによって快特などの通過待ちで、普通車が接続なしに長時間待たされる事案も減っています。

エアポート急行の利便性向上

また快特より所要時間の長い特急の運転開始によって、エアポート急行の基本的な運転パターンも変更となり、それまで両方向とも上大岡で快特を待ち合わせるものが、逗子・葉山行きは金沢文庫で、羽田空港方面行きは金沢八景で、それぞれ特急を先行させるダイヤになり、金沢文庫~京急蒲田間は普通車以外の列車にて、来た列車が一番早く到着するダイヤになったため、エアポート急行の利便性も向上しています。

そのほか微妙に使いにくいと思う人も多かったであろう、モーニング・ウィング5号に関しても、より多くの人が使いやすいようになりました。

ただし品川駅到着が8時53分であり、多くの企業の始業時刻である9時出社には、間に合うことが難しいのは相変わらずではありますが…

ダイヤ改正で悪くなった点

一方で、全体的に減便が目立つダイヤになったことから、悪くなった点というのも多数存在します。

まずは横浜南部の快特停車駅を中心とした住宅地にある駅、例えば上大岡や金沢文庫などから速達列車に乗車し、座って主要駅へ向かうことが難しくなりました。

これは筆者の体感となりますが、厳密にはダイヤ改正以前は快特がかなり混雑しており、エアポート急行は比較的着席が容易なことも多い乗車率傾向でした。

それが快特の半数が特急に置き換わり、エアポート急行が減便となったことで、比較的乗車率は均等になりました。

しかしこの影響で快特、特急、エアポート急行問わず、速達列車はどれも着席可能な機会が、以前と比較して少なくなった印象を受けています。

エアポート急行が着席困難に

またエアポート急行での着席が困難になった理由について、減便と合わせて座席定員の少ない車両の使用も挙げられます。

例えば平日は以前から午前中を中心に6両編成使用列車が増えていましたが、このダイヤ改正以降も逗子・葉山駅基準において、20分間隔運転となる10時台~14時45分までの時間において、13時5分発までの11本のうち半数弱の5本が、短い6両編成での運転となっています。

土休日は朝の2本以外すべて8両編成での運転で、6両編成のエアポート急行がその2本を除いて、一切なくなった一方で、7運用ある終日エアポート急行で逗子・葉山と羽田空港を往復する運用のうち、3運用~4運用程度は、浦賀方4両に新1000形1890番台「Le Ciel」を充てて、他の4両編成を品川方に繋いだ8両編成のケースが、非常に多く存在しています。

なぜこれが特筆されるのかというと、新1000形1890番台は占有スペースの大きいデュアルシートの採用や、トイレの設置などによって、通常の車両ならば1両あたり平均40席~50席程度の座席数に対し、平均30席強の座席数しかない点が挙げられるためです。

また同様に土休日において、羽田空港第1・第2ターミナル10時17分発の列車から、羽田空港第1・第2ターミナル19時41分発の列車までは、約2時間20分に1本の間隔で、都営浅草線の車両が使用されるようになっています。

この運用も旧型車両が運用に入った際の例外を除き、座席数が先頭車35席・中間車45席となっており、こちらも多少ではありますが座席数が少なくなっています。

普通車の接続・通過待ちが増えた印象

このほかに悪くなった点として挙げられるポイントは、普通車と速達列車の接続改善を図った一方で、普通車の接続・通過待ちを行う時間が全体的に増えた点です。

例えば上り列車の場合、土休日の13時20分台に浦賀駅を出発する普通車は、2019年ダイヤの場合浦賀駅を13時28分に出発し、終点の品川駅には15時19分に到着します。

全区間の所要時間は大体1時間51分程度で、接続・通過待ちのための停車時間はこの時のダイヤでは、すべて合わせて25分程度となっていました。

これが現在のダイヤでは浦賀駅を13時24分に出発し、終点の品川駅には15時36分に到着します。

待ち合わせ増加所要時間の増加

全区間の所要時間は2時間14分を要するようになり、接続・通過待ちのための停車時間は、すべて合わせて45分程度も要しているのです。

上大岡で特急とエアポート急行の接続待ちを行う列車と、平和島で横浜方面からの特急の接続待ちと、羽田空港方面からの快特またはエアポート快特の通過待ちを行う列車は、上大岡と平和島での停車時間に9分も要しています。

それ以外も特急とエアポート急行の接続待ちを行うため、金沢文庫で8分の停車時間を要しているなど、以前のダイヤと比較して、明らかに接続・通過待ちに要する時間が増えたことが、実際に利用してみるとよくわかります。

また特急・エアポート急行相互同士においては、接続をあまり考慮していないせいで、横浜方面から羽田空港へ向かう際と、空港線途中駅から横浜方面・品川方面へ向かう際の、有効本数が減少したことも特筆するべきポイントでしょう。

これについては、のちの項目にてもう少し詳しく紹介いたします。

そのほか微妙なポイントではありますが、逗子・葉山~金沢文庫間でエアポート急行の代わりに設定された普通車が4両編成主体の運転であり、編成の長さが短いがために逗子・葉山駅では、階段から近い場所に電車が止まっていないケースが増加しています。

特に横須賀線逗子駅に近い北口改札口からは、改札に入った後100m程度の長い通路を抜けないと、ホームにたどり着くことができません。

横須賀線から乗り換えて利用する際など、北口から逗子・葉山駅を利用する乗客は注意が必要であり、今まで以上に乗車するまでに時間がかかる場合があることを、予め留意しておく必要性があります。

ダイヤ改正に至った経緯

さて、そんな京急がここまでして大規模なダイヤ改正に踏み切った理由とは何なのでしょうか。

まず真っ先に考えられる事柄は、昨今の情勢下での利用客減少です。

これはどこの鉄道も共通であり、京急に限ったことではありません。

既にJR西日本や小田急のように、保有車両削減を含めた減便を行っている会社はいくつもあります。

常に利益を求められる株式会社、それも上場企業として長年赤字を垂れ流すことは、許されることではありません。

利用実態に合わせて減便を行うことは、自然な流れであるのです。

しかも京急の場合、近年の主な稼ぎ頭となる羽田空港アクセスについて、今後減少が見込まれます。

JR東日本の羽田空港アクセス線

その理由は、JR東日本が羽田空港アクセス線を建設中であるためです。

2029年度に運行開始予定とされているこの路線が開業すると、今まで品川駅などで乗り換えていた乗客、主に埼玉県・千葉県・茨城県方面や、北関東方面から羽田空港へ向かう乗客が、JR東日本に流れることになると予測できます。

横浜方面からの羽田空港アクセスは、羽田空港アクセス線開業以降も京急が主導を握ると思いますが、それでもなお厳しい状況が続くと思われます。

既にJR西日本や小田急のように、保有車両削減を含めた減便を行っている会社はいくつもあります。

常に利益を求められる株式会社、それも上場企業として長年赤字を垂れ流すことは、許されることではありません。

利用実態に合わせて減便を行うことは、自然な流れであるのです。

しかも京急の場合、近年の主な稼ぎ頭となる羽田空港アクセスについて、今後減少が見込まれます。

その理由は、JR東日本が羽田空港アクセス線を建設中であるためです。

2029年度に運行開始予定とされているこの路線が開業すると、今まで品川駅などで乗り換えていた乗客、主に埼玉県・千葉県・茨城県方面や、北関東方面から羽田空港へ向かう乗客が、JR東日本に流れることになると予測できます。

横浜方面からの羽田空港アクセスは、羽田空港アクセス線開業以降も京急が主導を握ると思いますが、それでもなお厳しい状況が続くと思われます。

そのほか労働人口が減少し、若い世代の乗務員も減少が見込まれる中で、運行に携わる係員の労働環境、とりわけ運転士さんや車掌さんなどの、労働環境を改善しなければならないという事情もあります。

乗務員数を増やせない中、乗務員の労働環境を改善するには、運転士の乗務行路数を削減する以外にないのです。

そのほか昨今の情勢下でエネルギーコストも急騰、それも政府の方針や情勢次第とはなりますが、今後それも下がる傾向が見えない中で、苦しい経営環境に少しでも対応するため、この思い切ったダイヤ改正に踏み切ったと推測できます。

京急のダイヤが改善してほしい点

最後に、現行のダイヤをベースに、個人的に改善して欲しいポイントをいくつか紹介します。

まずは京急蒲田~品川間にて、10分の普通車の間に特急が連続するか、快特またはエアポート快特が連続するかの、両極端なダイヤの見直しです。

現行のダイヤでは上り列車の場合、羽田空港方面からの特急の5分後に、続行で横浜方面からの特急が連続するダイヤとなっています。

逆も同様で横浜方面行きの特急の5分後に、羽田空港行きの特急が連続するダイヤとなっています。

この間の15分に快特やエアポート快特が挿入されるダイヤであり、40分サイクルでこの区間の日中の速達列車のパターンを見てみると、品川駅基準で概ね5分間隔にて、横浜方面行きの快特、羽田空港行きの快特、横浜方面行きの特急、羽田空港行きの特急、横浜方面行きの快特、羽田空港行きのエアポート快特、横浜方面行きの特急、羽田空港行きの特急という感じで組まれているのです。

ところで、このいびつなダイヤどうにかできないのか?と思うかもしれませんが、これはどうにもできないでしょう。

仮に現在快特やエアポート快特で運転しているダイヤを、特急に変更したところで、5分間隔で続行するのには変わりありませんし、どっちか片方を快特に、どっちか片方を特急に統一することも、横浜・三浦半島方面、羽田空港方面両方の速達性を鑑みてもちろん不可能です。

また泉岳寺駅における接続の関係も含め、これを弄るとなると直通先各社の広範囲において、運転パターンを大幅に変更する必要が出るため、安易に京急側の事情だけでこの辺りを弄ることができない点も、留意する必要があります。

次に、横浜方面から羽田空港へ行く電車が減便になった点について、過去にあった快特の増結4両を京急川崎で切り離して、羽田空港へ行かせる案です。

いわゆる「コバンザメ快特」の復活です。

これとエアポート急行の交互運転により、横浜方面からでも10分に1本程度の空港直通列車が確保できる、というのを提唱したいです。

ただし空港線内途中駅においては4両編成の特急が不評だったこと、および品川方面からの特急も、空港線内途中駅の輸送に従事していることを鑑みて、かつてのコバンザメ快特は京急川崎~羽田空港間で特急運転でしたが、ここも快特運転とすることを提唱したいです。

これであれば最小限の乗務員行路数増加で、サービス水準を維持できると考えられます。

しかしこれに関しても、現状ではかなり困難であるというのが事実です。

それはエアポート急行と快特の列車間隔が、近接しているダイヤが原因です。

京急蒲田駅視点で見ると、羽田空港行きエアポート急行の発車と、泉岳寺行き快特の到着がほぼ同じ時刻になっているのです。

逆も同様に、京急蒲田駅視点で見ると、横浜方面行きエアポート急行の到着と、横浜・三浦半島方面行き快特の発車が、ほぼ同じ時刻になっています。

このダイヤでコバンザメ快特を運転しようとしても、快特に乗客が集中してしまい、エアポート急行が逆に空気輸送になりがちなことが、予想できるでしょう。

ではどうすればいいのかというと、現状のダイヤでは特急に増結させればいいのでは?と思うかもしれません。

しかしこれは物理的に無理であり、理由は特急停車駅である、神奈川新町駅の下りホームにあります。

この駅は上りホームの3番線・4番線は12両編成に対応していますが、下りホームの1番線・2番線は8両編成にしか対応していません。

そのため特急の増結車として、かつてのコバンザメ快特のようなことをしようとしても、神奈川新町駅上りホームの制約のせいで、不可能なのです。

これをどうにか弄ろうと思ったとしても、最初の改善して欲しいポイントで述べた通り、直通先各社を含めて大幅なダイヤ改正を行うか、神奈川新町駅上りホームのホーム延伸工事を行うかになりますが、昨今の情勢下でなどを考えると両方とも不可能でしょう。

そのため、この2つに関してはどうしようにもできない問題として、現状を受け入れるしかありません。


ではどうやったらある程度こういった問題点を改善できるか、京急蒲田駅での接続の改善を行えば、ある程度は利用しやすくなるのではと考えます。

具体的には羽田空港からの印旛日本医大行き特急と三崎口行きの特急、高砂または青砥行きの特急と羽田空港行き特急を接続できるようにすれば、横浜方面から羽田空港へアクセスする列車も、上下移動を含む乗り換えがあるため実質的にはなります。

これまで通り10分に1本にすることができますし、空港線内途中駅から品川方面へのアクセスも、これまでであれば上下移動は伴いますが、京急蒲田駅で後続の快特に乗り継ぐことで、40分に1本のエアポート快特を引かなければ、3分の乗り換えで品川方面へ向かうことができました。

それを踏まえて、現状のダイヤで京急蒲田駅の日中時間帯における、特急、エアポート急行、快特の停車時間パターンを見てみましょう。

さて今皆様には、3方面すべての12時台と13時台のパターンダイヤをご覧頂いています。

これをご覧いただいたうえで、京急蒲田駅の構造を理解すると分かるかと思いますが、先に挙げたパターンの特急同士で、乗り継ぎがほぼ不可能なのです。

そのため空港線途中駅利用者、横浜方面から羽田空港へ向かう利用者とも、実質的には減便になっているのです。

これの対策はただ一つ、品川方面から空港線へ直通する特急の、空港線内の時刻を変更し、京急蒲田駅で2分~3分程度の接続時間を取ること。

現状の羽田空港発着の特急は、羽田空港第1・第2ターミナル駅で13分ほどの折り返し時間があり、ここの折り返し時間を4分~5分程度削ったうえで、7~8分程度にすることで対応できると考えます。

この際空港線内各駅において、特急とエアポート急行のきれいな10分間隔が崩れてしまいますが、これは目をつぶる必要があるでしょう。

ただこれの懸念点としては、羽田空港第3ターミナル駅基準で、先行のエアポート快特または快特との間隔が小さくなりすぎること。

こういった事象を考えると、なかなか理想のダイヤを組むのはかなり難しいという、ダイヤを作る人の苦労も伺えるのではないかと思います。

このほか、着席機会の向上や逗子・葉山駅の乗車口が遠い問題なども挙げましたが、これは仕方のないこととして割り切るしかないでしょう。

まとめ

今回の京急のダイヤ改正についてまとめると

・ 主な内容として日中時間帯において、横浜方面からの快特、羽田空港方面からの快特とも、約半数が特急に格下げされたこと
・ その一方で日中時間帯の横浜方面と羽田空港を結ぶエアポート急行が、10分に1本から20分に1本へ半減されたこと
・ その他にモーニング・ウィング5号の運転時刻繰り上げなどもあったこと
・ 良くなった点としては、特急通過駅の利便性向上や、普通車の積極的な対面乗り換え機会向上などが挙げられること
・ 悪くなった点としては、減便による着席機会の減少、横浜方面から羽田空港へのアクセス列車が減ったことなどを挙げたこと
・ また空港線内途中駅からの実質的本数減少、普通車の待避時間増加なども悪くなった点として挙げたこと
・ 改善点として羽田空港発着の特急に関する、運転ダイヤの変更を提言したこと
・ こういった変更に至った理由は、昨今の情勢や未来における利用客減少が見えること、労働環境改善などが主目的であると考えられること

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